教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.07.18

教育費捻出が厳しい! 家計の事情をどこまで子どもに打ち明ける?

子どもの成長とともに、教育費がどんどん増えていくのは皆さんもご存知のことでしょう。たとえ子どもが優れた成績を修めていたとしても、子どもの望む通りの進路を用意してあげられるとは限りません。この記事では学費の現状や教育費を安くする方法、子どもの望む進路が難しい場合にどう対応すべきかについて紹介します。

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進路の見通しを立てるために知っておきたい学費事情

まずは、子どもの教育費にかかる大体の金額を把握しておきましょう。平成28年度の文部科学省「学習費調査」によると、1年あたりの学習費総額では以下の数字が報告されています。

 

小学校

・公立 約32万2千円

・私立 約152万8千円

 

中学校

・公立 約47万9千円

・私立 約132万7千円

 

高等学校(全日制)

・公立 約45万1千円

・私立 約104万円

 

公立・私立校にかかる学習費総額を比較すると、小学校では私立が公立の4.7倍、中学校では2.8倍、高校(全日制)では2.3倍という数字が出ています。

 

この学習費総額を構成するのは学校教育費、学校給食費、学校外活動費の3つ。内訳を見ると、公立小学校および公立中学校の学校外活動費は、学習費総額の6割以上にのぼります。つまり、習い事や塾での支出がメインということです。

 

一方、私立中学校および私立高校では学校教育費が学習費総額の6割を超えています。つまり、学校への支出がメインなのです。

 

 

私立学校でも教育費を抑える方法がある!

教育費を少しでも安くするにはどうすれば良いのでしょうか。公立に通わせるという選択肢もありますが、中には私立に通わせても教育費を安く抑えたいというケースもあるでしょう。

 

年収400万円未満の家庭であれば、平成29年度から文部科学省が実施している「私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業」の「私立小中学校等修学支援実証事業費補助金」を利用する方法もあります。この実証事業は、私立中学に通う理由や家庭の経済状況を把握する目的で、平成33年度まで行われる予定。私立の小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校(前期課程)・特別支援学校(小学部・中学部)の生徒が対象となります。

 

各学校の奨学金制度を利用するという手もあるでしょう。奨学金制度は主に下記の2種類に分類されます。

 

①経済的な理由で学費の支払いが困難な子どもを支援する目的のもの。

②成績優秀者がより一層勉学に打ち込むよう奨励する目的のもの。

 

特に多いのは経済的支援の奨学金で、麻布・桜蔭・青山学院をはじめ、さまざまな学校で制度が設けられています。また、攻玉社・共栄学園・桜美林のように経済的支援型と勉学奨励型の両方の制度を設けている学校も珍しくありません。

 

 

 

 

子どもが望む進路の選択が難しい…そんな場合は?

どうしても教育資金が捻出できない場合、もっとも大切なのは早めに子どもに伝えること。

 

塾講師時代に経験したケースで多かったのが、きょうだいの多い子どもが、教育費の分配の兼ね合いで続けたかった授業コースの一部を諦めざるを得ないということ。しかし、親子間ででしっかりと話ができていた家庭の子どもは「残念だけど仕方ないよね」と親の決定を受け入れていました。

 

この時、子どもがスムーズに納得していた背景にはあらかじめ親が「予算には限りがあること」「予算は兄弟で分配していること」「受験前になると予算の比重が変わってくること」の3点を伝えていたことが大きかったようです。「兄により多く予算を割いていたとしても、それは受験に向けた限定的な対応であり兄弟のどちらかに愛情を偏らせているわけではない。あなたの受験の時にも同様に予算を割く」といった内容をはっきり伝えていたことで、子どもは親の愛情を疑わずに済みました。

 

子どもが望む進路を選ばせてあげられないことはあるでしょう。しかし、子どもが「好きな進路を選ばせてもらえなかったのは、親が自分を大切にしていないせいだ」と思い込んでしまわないよう、伝える際には上記の事例のような配慮が必要です。

 

 

計画的な貯蓄は子どもの進路を応援することにもつながります。進路ごとの学費をできるだけ正確に把握し、費用を抑える方法を模索しながら子どもの将来に備えましょう。もし、子どもの望む進路が経済的な事情で難しいのであれば、子どもが親の愛情を疑わないで済むような言い方で伝えることをおすすめします。

 

稲石加奈

稲石加奈(監修:西村創)

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。

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