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ソクラテスのたまご

2019.07.09

【都立高校入試】推薦合格する子の共通点。小学生からできる対策とは?

2013年から様変わりした都立高校の推薦入試。試験内容はもちろん、対策も大きく変化しました。実はこの推薦入試で求められる能力こそ、令和の時代に求められる学力像なのです。そこで、都立高校推薦入試の概要と合格に必要な力、そして小学生のうちから家庭で心がけたいことについてを解説します。

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推薦入試の制度と試験内容、求められる能力とは?

2019年5月現在、東京都立高校の推薦入試は次のように実施されています。

① 面接と集団討論を行う。

② 作文または小論文の試験を行う。

③ ①②の得点と調査書点の総合点で合否を判定する。

※ 上記に加えて、実技検査(運動技能、図画工作など)を行う高校もあります。

 

2013年の制度改正以降、調査書点の比重は最大でも50となり面接、集団討論、作文・小論文が重視されています。

 

多くの高校が次のような配点を用いています。

  • 調査書点:50%
  • 面接・集団討論:25%
  • 作文または小論文:25%

面接・集団討論の比重を下げて作文または小論文の比重を上げたり、調査書点の比重を更に下げたりする高校もあります。推薦入試で試されるのは、以下の能力です。

 

【推薦入試で試される能力】

1】コミュニケーション能力
相手の意見や質問を正確に理解し、自分の考えを相手に正確に伝える力

2】思考力、判断力、表現力
 テーマの内容について的確に判断し、自分の考えをわかりやすく表現する力

3】協調性、将来性、リーダーシップ
様々な考えを受け入れ、他者と協力し共に考え、全体をまとめる力

4】進路実現に向けた意欲、志望の動機
 自己の能力、興味、関心を踏まえた将来像を描き、入学への熱意と入学後の目標を具体的に説明する力

5】規範意識、生活態度
 ルールを守り、充実した学校生活を送る力

 

 

 

 

 

推薦合格者には共通点があった! “推薦合格力”こそ令和時代に求められる能力

学力テストと違い“正解が1つではない”という点が推薦入試の特徴。正解がない故に対策も難しいわけですが、過去7年間の推薦合格者には次のような共通点があります。

 

推薦合格者の共通点

  • 主体的に行動できる
  • さまざまな活動に積極的に取り組んでいる
  • アドバイスを素直に受け入れ、すぐ実行に移せる
  • 他者とのコミュニケーションを好む
  • 初対面の子と仲良くなれる
  • 適切な言葉遣いで話せ、正しい日本語で文章を書ける
  • 失敗をしても成功するまでチャレンジできる
  • 時間を無駄にしない

 

学力テストで点を取る能力とは全く別タイプの素養です。集団討論や面接の試験管は高校の先生なので、「クラスにいて欲しいタイプの子」を高く評価します。

 

こうした“推薦合格力”が有用なのは、都立高校入試に留まりません。いまや大学入試でも推薦やAOの比重が高くなり、就職活動や公務員試験でも面接や集団討論、作文・小論文が広く課せられるのです。

 

何より、グローバル化やIT化の進展により激しく変化するこれからの時代に求められるのは正解のない問題と向き合い、自分で考え、他者と協働して最適解を作り出す能力。そして、その能力は“推薦合格力”と同種、延長線上にあるものです。

 

 

 

 

“推薦合格力”向上のために、小学生のうちから取り組みたいこと

では、“推薦合格力”を身に付けるにはどうすれば良いのでしょうか。

 

確実に言えるのは、机に向かう勉強だけで身に付くものではないということ。小・中学校の行事や部活動、課外活動、習い事など、テストの点数に直接結びつかない活動の経験が「推薦合格力」を育みます。

 

実際、推薦合格者の多くは中学時代も高校入学後も部活動に打ち込んだり、文化祭や体育祭などの企画の立案・運営をしたり、学校外でボランティア活動に取り組んだり、海外派遣を通じて異文化と交流したりと、生き生きと充実した学校生活を送っています。

 

また、幼少時からの親の接し方も重要。“相手の話に耳を傾ける”、“自分の考えを言葉で説明する”という習慣は、まずは親子間のコミュニケーションから作られるからです。そこから、クラス内での話し合いや体育祭や文化祭、合唱コンクールなどの集団活動に前向きに参加する姿勢が生まれます。

 

将来の職業や高校卒業後の進路など、社会との関わりの中で子どもの将来像について親子で考えることも大切。学校や塾だけが学びの場ではなく、むしろ子どもが最も多くの時間を過ごす家庭での過ごし方こそ“推薦合格力”を伸ばす鍵となるのです。

 

 

“試験に受かる力と社会で役立つ力は別物”、そう言われたのも過去の話。いまや“推薦入試で合格する力”と“実社会で役立つ力”は重なりるものなのです。推薦合格した子を見るにつけ、「日本の未来は明るいな」と頼もしい気持ちでいっぱいになります。まさしく“推薦合格力”こそ、令和の時代を強く生きる上で求められるものなのです。

 

石井知哉

石井 知哉(監修:西村創)

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー。高校受験Webサイト「School Post」(https://school-post.com)主宰。塾指導歴20年以上。小学生から大学浪人生まで、教科を問わず個々の成長を引き出す指導を得意とする。現在は、個別指導塾2校舎を統括する傍で、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。長年の経験と知見を記事にして発信中。アイデアと文面の大半は、こよなく愛するビーグル犬との散歩中に生まれる。

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