2019.06.11

進学先検討の参考に! 公立中学と私立中学それぞれのメリット&デメリット

公立中学校と私立中学校には異なる特徴があります。どちらが優れているというわけではなく、それぞれに長所と短所があり子どもの性格や家庭の事情によって合う合わないが分かれます。この記事では、公立中学校と私立中学校の長所・短所を具体的に比較した上で、それぞれを目指すにあたって必要なことを紹介します。

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公立中学の良さは学費の安さだけではない!

公立中学校の一番の長所は、なんといっても学費の安さ。平成28年度の文科省「子どもの学習費調査」によると、公立中学校に進んだ場合の、一年あたりの学習費の総額は47万8554円です。

 

内訳は修学旅行や学用品などの学校教育費13万3640円、学校給食費4万3730円、学校外活動費30万1184円と、そのほとんどが学校外、つまり塾や習い事に使われていることがわかります。学校自体への出費は学校教育費と学校給食費の合計17万7370円です。公立中学校は塾に通わなくても入学できますし、地元であるため交通費もかかりません。ただし安い分、設備が古い学校が多いのも否めません。

 

もうひとつ、公立中学校の良さとして挙げられるのが多様な生徒との出会い。共通項は同じ学区に住んでいるというだけですから、家庭の経済力や、教育方針もバラバラです。

 

中学受験専門塾で塾講師をしていた時のことです。時事問題の授業で格差を扱っていると、当時の6年生たちが「貧乏になる人って努力不足じゃない?」と言い出したことがありました。「毎日がんばって勉強している自分たちの努力を認めてほしい」という気持ちから出た言葉だったのでしょう。結果として、格差の連鎖について話し合う良い機会になりました。

 

自分と異なる背景を持つ人を知ることの重要性を、改めて実感した経験です。公立中学校の環境もまた、「知る機会」であるといえるでしょう。

 

 

私立中学の魅力は教育環境の充実性

私立中学校には公立中学校にはない、さまざまな長所があります。学費は高いですが、その分設備にはお金がかけられていて行事や部活に予算を割いている学校が多いのが特徴。生徒を集めるためのアピールポイントとして、子どもたちが気持ちよく学べるよう教育環境を整えているのです。

 

中間一貫校なら、6年間という長期のスパンを見据えた無駄のないカリキュラムが魅力的ですし、学校ごとに教育内容の個性が見られます。補習などの学習フォローが手厚い学校も多いです。

 

ただし、私立中学校に通うには経済的な負担がかかります。受験に向けた約3年間の塾費用に加え、中高一貫校なら6年間の学費と出費が長期に渡るため相応の覚悟が必要です。

 

平成28年度の文科省「子どもの学習費調査」によると、私立中学に進んだ場合一年あたりの学習費の合計は132万6933円。内訳は学校教育費99万7435円、学校給食費8566円、学校外活動費32万932円。

 

つまり、学校だけでも100万6001円かかる計算になります。金銭的な負担以外では、通学時間の負担も大きいでしょう。片道一時間以上かかる子どもも多く、通うだけで疲れてしまうことも少なくありません。

 

 

 

公立中学校、私立中学校をめざすにあたって気をつけたいこと

公立中学校は補習授業をあまり行われず、勉強へのフォローが手厚いとは言えません。したがって、早い時期に学習習慣を身につけなければ勉強に取り残される場合も…。塾に通うのであれば、入学前にどこにするかを決めておくとスムーズです。小学校の勉強でつまずいている箇所は、春休みが終わるまでに克服しておきましょう。

 

私立中学校は公立中学校と異なり入学試験があるため、小学校3年生の2月頃から塾に通って受験勉強をするのが一般的。学校説明会に参加したり行事を見学したりして、学校情報を集めておきましょう。

 

一度は私立中学校を目指したものの途中で断念し、公立中学校へ進学するケースも中にはあります。受験勉強はハードで、向き不向きがあるためです。難関校志望の場合は、オプションとなる特訓講座が始まる6年生の春までに決断するのがおすすめ。中堅校でも、過去問対策を始める秋までには受験を継続するかどうか決めるようにしましょう。

 

公立中学校にも私立中学校にも良いところがあります。子どもの個性や家庭の経済事情を考えて、進学先をどうするか親子で検討してください。それぞれの学校の特徴を理解したら、必要な準備を進めていきましょう。

 

稲石加奈

稲石加奈(監修:西村創)

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。

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