教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.05.27

子どもが自ら学び、答えを導く力につながる【辞書引き学習法】とは

これまで教育は、教師が教えて子どもは与えられた知識を身につけるものでした。しかし、2020年からの教育改革やアクティブラーニングという言葉が示すとおり、今後は子どもが自ら学び、考え、答えを導く力を身につけることが求められます。今回はそんな力を身につけられる辞書引き学習を紹介します。

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遊び感覚だから自主的に学んでいける

辞書引き学習とは、子どもが知りたいと思った言葉を自分で辞書で調べ、付せんを貼っていく学習方法のこと。学校教育では、一般的に小学3年生ごろから辞書を使った学習をスタートしますが、小学1、2年生でも、ある程度、文章の読み・書きに慣れてきたら辞書引き学習を始めることができます。

 

この学習法のポイントは、付せんを貼ることにより遊び感覚で辞書を引くことに取り組める点です。知らない言葉を知っていく喜びはもちろん、辞書に付せんが増えていくことで成果を視覚的に把握し、達成感を感じることができるようになっています。

 

幼児向けドリルによくある、“できたらシールを貼ろう”というものと似た仕組みです。辞書引き学習は、子どもの好奇心をやる気に変え、達成感も感じさせることで、次の学びに繋げることもできるのです。

 

 

 

気軽に始めさせることで習慣化していく

しかし、「そんなに簡単に6,7歳頃から辞書を引く習慣がつけられるのだろうか」と思う保護者もいるかもしれません。

 

もし、習慣化できるか心配なのであれば、気軽に行えるようにする配慮をしてはいかがでしょうか。小学校低学年のうちは薄くて読み仮名やカラーの図が多く入っている辞書を選び、ケースは外してすぐ調べられるようにしておきます。リビングなどのすぐ手の届くところに置いておくとなおよいでしょう。

 

はじめは「自由に開いて知っている言葉を探してみたら?」などの声がけをして、子どもが調べることができたら「知っている言葉を自分で調べられるなんてすごいね」とほめてあげます。

 

習慣化させるためには、子どもが知りたい言葉を調べさせるということも大切です。中には、最初に調べた言葉が“うんち”という子どもらしいユニークなエピソードを聞いたことがあります。たとえスタートが“うんこ”だったとしても、言葉の意味を知る喜びで好奇心を満たせるようになっていけば、いつの間にか夢中になり、辞書を引く習慣がついていきます。

 

そして、言葉の知識が増えていくうちに派生する別の言葉へと興味の幅が広がっていったり、調べた言葉を人に教えることで学ぶ楽しみが広がったりすることもあるはずです。

 

 

 

家庭学習だけではなく学校でも導入されている

辞書引き学習は学校でも導入されている例が多くあり、辞書を引くことになれるために遊び・ゲーム感覚のあるさまざまな形式で辞書引き学習法が行われています。

 

たとえば、“テーマを設定して辞書引きをする”“辞書でしりとり遊びをする”“言葉の意味から見出し語を当てる辞書クイズをする”など。ほかにも、付せんが10、30、50といった区切りに到達した日を書き込めるプリントを用意して、子どもの意欲をより一層引き出している例などもあります。

 

学校では、子ども同士が辞書に貼られた付せんを見比べて「もっとがんばろう」「あの子みたいにこうしよう」と感じる相互作用が生まれます。それを踏まえ、定期的に辞書引き大会を行っている学校もあります。なかには、町の予算を使って学校で辞書を購入し生徒に貸し与えて卒業まで使わせてくれる学校もあるそうです。

 

疑問があったら自分で調べるという習慣は、自ら課題を解決する力を養うことができます。国語のみならず、生きていく上で必要な力になっていくのです。小学生以上であれば、始めるのに早すぎるということはありません。まずは、子どもがお気に入りの辞書を親子で選ぶことから始めてみてはどうでしょうか。

 

浅香ゆき

浅香 ゆき(監修:西村創)

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。自身も高校受験、大学受験を経験し、県立進学校、有名私立大学に合格。大学受験ではAO推薦合格の実績がある。大学在学中、大手塾講師や公文式の採点助手等、小学生から高校生の勉強をみる傍ら、児童館でのアルバイトやボランティア活動で多くの子どもと関わりをもつ。現在、幼稚園入学を控えた娘と妊娠中の第二子を抱え、駆け出しのライターとして日々執筆に奮闘中。

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