教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.05.28

趣味系習い事より勉強を優先させるべき? 子どもとの話し合い方をアドバイス

子どもが趣味で始めた習い事と、日に日に難しくなっていく勉強。どちらも両立できればよいのですが、成績が低迷したり、受験が近づいたりすると「習い事をやめたほうがよいのかな」と悩んでしまいますよね。そこで、趣味系習い事と勉強の今後について子どもとどう話し合っていったらいいのかアドバイスをしていきます。

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時間やお金など課題を明確にして子どもと会議

大切なのは、習い事を続けるのかどうかという決断を保護者が勝手に答えを出してしまわないことです。勉強が難しくなってきたり、受験が近づいてきたりすると保護者としては気が焦ってくるものですが、まずは子どもと話し合う場をもちましょう。

 

子どもと話し合うときは、テストの点数や偏差値をどの程度上げる必要があるのか知っておきましょう。子どもの学力を目標に到達させるには、どのぐらい時間をかける必要があるのかが見えてくれば、たとえ習い事をやめることになっても子どもの納得を得られやすくなります。

 

学力については、塾に通っているのであれば塾に相談し、通っていない場合は全国模試を受けさせて客観的な視点を得るようにしましょう。

 

模試では、偏差値だけではなくミスの傾向を知ることも重要です。たとえばミスした単元が偏っているのなら、その単元をクリアするだけで成績は上がりますが、分散している場合にはすべて復習しなければならず、多くの勉強時間を要します。

 

また、時間の問題ではなく、習い事と塾や家庭教師との両立が経済的に無理な場合もあります。お金の悩みをどこまで子どもに打ち明けるかは各家庭の方針によりますが、「家計的にどちらか片方しか続けるのが難しい」と率直に伝えたほうが、後々までこの問題を引きずらなくて済むはずです。

 

 

 

子どもの目標、価値観、夢を尊重する

教育熱心な保護者ほど、勉強を最優先事項にしがちです。しかし、子どもの価値観が保護者と同じだとは限りません。講師時代に価値観の食い違いでもめた親子を何組も見てきましたが、保護者が子どもの意見に耳を傾けないと子どもは勉強へのモチベーションを失いがちです。

 

子どもの意見を聞き、もし子どもが「志望校に受かることが目標で、趣味の習い事は好きだから続けている」という場合なら、勉強優先の判断でも子どもは受け入れるケースが多いようです。しかし、趣味の習い事の延長線上に将来の夢を見出している子どももいます。その場合、勉強のために趣味の習い事をやめるというのは、子どもにとってありえない選択肢です。

 

ただし、保護者の目から見て「実現不可能な夢」だと感じることもありますよね。その場合、子どもが納得できるぐらい客観的な根拠を提示しなければなりません。

 

たとえば子どもがプロ選手を志望しているとします。プロ選手になった人たちが過去に出した成績が、あまりにも現状とかけ離れている場合は、そのデータを共有してください。ただし、「だから夢は叶わない! 無理だ!」と決めつけるのではなく子どもがどう受け止めるかを大切にしましょう。保護者が子どものポテンシャルを正確に汲み取るのは難しいですし、保護者による決めつけは、子どもの自己肯定感や自尊感情を損ないかねません。

 

 

 

続けやすい習い事と続けにくい習い事がある

趣味の習い事は大きく分けて運動系と文化系に分かれますが、前者のほうが続けにくいケースが多いようです。なぜなら、時間的な拘束が長く、土日にも練習や試合が入りがちで、そのあと勉強をしようとしてもなかなか体力がついていかないためです。せっかく机に向かったのに、居眠りばかりになってしまうという話もよく聞きました。集団競技も多いため、練習より勉強を優先すると熱心なチームメイトから反感を買いやすいのも難しいところでしょう。

 

一方、文化系習い事には、時間的な拘束が短いものもあります。たとえば、楽器も運動系と同じく練習が必要ですが、合奏でなければ比較的融通が利きやすいはずです。体力的な負担も少ないため、勉強と並行して取り組むことも可能です。文化系の習い事の場合、頻度や進め方を先生に相談してみてください。受験などの目標を終えるまでは、通う回数を月一度に変更してもらえば気分転換を兼ねて続けるということもできるかもしれません。

 

趣味の習い事と勉強、どちらも子どもにとっては大切なものです。どのぐらいの思い入れを持っているかは、子どもと話し合ってみないとわかりません。親は一方通行にならず、子どもの気持ちを聞いた上で、臨機応変に対応していくことが求められます。

 

稲石加奈

稲石加奈(監修:西村創)

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。

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