教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.05.25

子どもの想像力を豊かにするために親子でできること

これからの時代に求められている力のひとつといわれている想像力。子どもは小さいうちから豊かな想像力をもっています。しかし、成長するとともに現実を認識する力が育つ一方で、想像力は失われやすい傾向にあります。そこで、子どもの想像力を育てるために親子でできることを紹介します。

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絵本を見せて内容を想像させよう

小学校低学年にもなると、絵本を卒業してしまう家庭も多いことでしょう。しかし、絵本には、小学生だからこそできる楽しみ方があります。

 

次は、私が家庭教師をしていた頃、小学2年生の授業の導入として取り入れていた方法です。

 

子どもが読んだことのない絵本を一冊用意し、一緒にページをめくっていきます。この際、絵本の文字の部分は隠してください。字を隠すのが手間であれば、紙芝居を図書館で借りるのもおすすめです。

 

最後のページまでたどりついたら、子どもに「これはどういうお話なんだろう?」と聞き、1ページずつ子どもの組み立てた話を発表してもらいます。

 

子どもは聞き手を楽しませようとはりきって話を考えます。聞き手は子どもの熱意を正面から受け止めて、リアクションをしてください。聞き流してしまうと子どもはつまらなくなって想像を膨らませるのをやめてしまいます。聞き上手の姿勢が子どもの想像力を伸ばすのです。

 

 

 

同じ本を読んで感想を話し合おう

絵本だけではなく文字ばかりの本でも想像力を養うことはできます。そのためには、親子で同じ本を読み感想を話し合えばいいのです。

 

塾で講師をしていた頃、同じ物語を読ませても生徒によって感想はまるで違うものでした。自分とは違うものの見方に触れられるのは刺激的な学びとなります。話し合ううちに子どもの頭の中に新たな解釈が生まれることもあり、読書の楽しみをより一層深めてくれるはずです。

 

加えて、自分の感想をいかに相手にうまく伝えるかということを、考えながら話すことは、説得力のある言葉を獲得する訓練にもなります。相手の納得を得るためには、相応の理屈が必要です。想像力と、それを裏打ちする論理性の両方を身につけるよい機会になるでしょう。

 

親子で本の内容について、話し合うだけでもいろいろ発見がありますが、テーマを絞りこんで議論してみるのおもしろいと思います。「何を伝えたい作品なのか」「登場人物は何を考えているのか」「どうしてこういう終わり方なのか」。話し合うテーマ設定も子どもに決めさせると、思いがけない切り口と出会えるかもしれません。

 

 

 

交互に案を出してストーリーをつくってみよう

物語は読むだけでなく、作るのも楽しいものです。とはいえ、白紙の状態で「物語を考えて」と言われても作ることができる子どもは少数でしょう。

 

以前、塾で授業時間が余ったときに「今から物語を考えてもらいます。主人公はどうしようか? 舞台はどこにする?」と振ってみたところ、みんなはりきって案を出して大いに盛り上がったということがありました。

 

物語を考えるのはハードルが高いという場合は「いつ・どこで・だれが・なにを・どうした」というゲームをするのはどうでしょう。「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どうした」と5つテーマを設定して、テーマごとに思いついた言葉をカードに書き出しておくのです。各テーマごとにカードをシャッフルして一枚ずつ引いていくと、たいていはトンチンカンな内容に仕上がって大笑いすることになります。このゲームの結果を物語をつくる土台にしてみてはどうでしょうか。

 

たとえば「昨日・叔母が・道端で・カレーライスを・食べた」という文章ができたとしたら、この展開を成立させるために補足をしてストーリーをふくらませていきます。

 

「叔母はなぜ道端にいたのか」

「どんな用事があったのか」

「カレーはだれがつくったのか」

「どうして叔母はそれを食べたのか」など。

 

おかしな展開であればあるほど、理由を考えるのはおもしろいものです。親子で案を交互に出し合えば、予想もしなかった方向に話は転がっていくでしょう。

 

想像力を膨らませるのは子どもにとっても大人にとっても楽しいことです。「さあ、わが子の想像力を鍛えるぞ!」と意気込んで臨むのではなく、一緒に盛り上がるつもりで、読書感想交換、物語作りなどを楽しんでいけば、想像力はどんどん向上していくはずですよ。

 

稲石加奈

稲石加奈(監修:西村創)

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。

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