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2019.05.07

【本ソムリエがセレクト】小学生3・4年生を読書好きに育てる本5選(日本の作家編)

小学3,4年生は子どもを読書好きに育てるかを決める重要な時期。学習面においても人生においても読書の効果は計り知れません。複雑なストーリーも少しずつ理解できるようになり、奥行きある小説も読めるようになるこのタイミングに読書習慣をつけたいものですよね。前回の海外作家編に続き、今回は日本の作家編5冊を本ソムリエがセレクトしました。

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想像力と発想力を鍛える「りんごかもしれない」

ある日、机の上にみつけたひとつのりんご。これはもしかして普通のりんごではないかもしれない。宇宙人のりんごかもしれない。むいてもむいても皮だけのりんごかもしれない。水をやったら家になるかもしれない。仲間がたくさんいるかもしれない。冒険に出かけたことがあるかもしれない。いびきをかいて寝るかもしれない。食べたらしょっぱいかもしれない。

りんごひとつで想像力がふくらむ絵本「りんごかもしれない」(ブロンズ新社)ヨシタケシンスケ。

ただひとつのりんごが、無限の想像のきっかけとなります。この絵本では、想像力の羽ばたかせ方やインスピレーションを得る方法のヒントを学ぶことができます。図工や作文の時間でも生きる想像力を広げる力になるはずです。

社会性と自身の価値観を比較する「あらしのよるに」

350万人が夢中になった「あらしのよるに」シリーズ(講談社)きむら ゆういち 、あべ 弘士 (著)。

主人公は、あらしのよる、やっとたどり着いた真っ暗な小屋の中で心細く雨宿りする2頭の動物。すっかり仲良しになった2頭は、再び会う約束をします。オオカミとヤギだということに気がつかずに…。おいしそうなヤギと恐ろしいオオカミ、相手を大好きになってしまった2頭はどうする…?

本来の仲間から隠れてひみつのともだちに会いに行く罪悪感と、一緒に過ごす楽しい時間。友情を信じたい気持ちと信じきれない疑いの心。2頭が抱く相反する感情を想像しながら読み進めるうちに感情や生き方、人間関係への思考が深まるはずです。

“みんなが思う正しいこと”と“自分の価値観や良心”のどちらを優先するべきか。どうすれば自分の考えを周囲に理解してもらえるのか。子どもには難しい命題かもしれませんが、多様性を受け入れる社会を作るために大人も一緒に読んで、話し合ってみてはいかがでしょうか。

ドキドキしながら主人公気分で推理を楽しめる「パスワードシリーズnew」

インターネットの学習塾「電子塾」。ミステリー好きのマコトが「電子探偵団」の一員となり、メンバーや団長のネロとともに数々の難問をクリアしていく「パスワードシリーズnew」(講談社 青い鳥文庫)松原秀行。

日々の生活で不思議に思った体験を、なぞなぞやとんちではなく、実際に推理して答えを見つけていく物語。大人でも悩んでしまうような本格的な謎解きも楽しめます。数々の有名ミステリー小説が小ネタとして盛り込まれており、推理小説の入門編としての最適です。

30冊以上のシリーズがあり、登場人物も増えていくので子どもたちも飽きることなく長く読み続けることができます。読書の習慣がつくとともに伏線を読み取ることで自然に読解力のトレーニングにもなります。

親の大変さが少しは分かるかも!? 「かあちゃん取扱説明書」

ガミガミうるさくってケチで「早く」が口癖のかあちゃん。「もし、かあちゃんを上手に扱えるようになったらぼくの人生はパラダイスだ!」ということで、かあちゃんの取扱説明書を作るというお話の「かあちゃん取扱説明書」(童心社)いとう みく (著) 佐藤 真紀子 (イラスト)。「勉強勉強といわせない方法」「しかられない方法」「好きなおかずを作ってもらう方法」など。トリセツの通りにやったら、バッチリ成功です!

取扱説明書を作るためにじっくり観察してみたかあちゃんの日常生活。今まで気がつかなかったかあちゃんの想い。子どもの親への理解が深まるかもしれません。

また、①問題を把握②考える③工夫する④実行⑤結果という物事のセオリーが理解できます。ビジネス書に負けず劣らずの良書です。

ワクワクしながら知識を得る意義を知る「ルドルフとイッパイアッテナ」

2016年に映画化もされた「ルドルフとイッパイアッテナ」(講談社)斉藤 洋 (著)杉浦 範茂 (イラスト)。

運悪くトラックでトウキョウに運ばれてしまった黒猫ルドルフは、怖そうな野良猫に出会いました。名前を聞くと「おれの名前はいっぱいあってな。」言われ、イッパイアッテナという名前だと思うルドルフ。イッパイアッテナに正しい野良猫道を教わるルドルフは、大事なのは「キョウヨウ」のある猫になることだと知ります。悪い言葉遣いをすれば「下品」になること、人間と知り合いになってもしょっちゅう食べ物をねだりに行ってはいけないこと、字の読み書きなどを覚えるルドルフ。人間の文字がわかれば、元の飼い主リエちゃんのもとへ戻る方法も分かるはず…!

イッパイアッテナの秘密やルドルフの運命が気になって、ページをめくる手が止らないはず。読書の楽しさが実感できる本です。知識を得ることがどんなに人生(猫生?)を豊かにすることか、勉強嫌いの小学生の心に響くこともあることでしょう。猫に勉強の大切さを教えてもらえるお話です。

小学3・4年生は、難しい言い回しや読めない漢字が出現し始める頃ですが、言い換えれば、分からないことを知りたいと思う探求心を養うチャンスの時期でもあります。もし、読書をしている子どもから質問をされたら、答えるか答えを見つける方法を教えてあげてください。読書をしながら、新しいこと、分からないことを理解する喜びを育みましょう。

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武内乃布子

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、旅行会社へ就職した後に渡米。その後、ニューヨークのビジネススクールを経て、イスラム圏へ移住。6年間の外国生活で異文化コミュニケーション、ムスリム(イスラム教徒)の生活様式や考え方、イスラム教について知識などを身をもって学ぶ。現在は日本在住。ジャンルを問わず、年間100冊以上の本を読み、その人に合う本をおすすめする本のソムリエでもある。  

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