教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.03.09

【コグトレ②・無料プリント付き】認知機能を上げるトレーニングにトライー覚える・数える編―

一生懸命がんばっているのにうまくいかず、学校の勉強にもついていけない…。そんな悩みを抱える保護者に知ってほしいのが認知機能を強化するトレーニング「コグトレ」。難しいことを行うわけではなく自宅にいながら親子で行えます。そこで、今回は、実際のトレーニングの一部を紹介。PDFをダウンロードしてぜひトライしてみてください。

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トレーニングは5つの分野から構成

認知機能を強化する「コグトレ」には、社会面における対人スキルの向上を目指す「認知ソーシャルトレーニング」、学習面における基礎学力の土台づくりをする「認知機能強化トレーニング」、身体面における不器用さの改善を目指す「認知作業トレーニング」があります。

 

そのなかで、今回取り上げているのは「認知機能強化トレーニング」。“記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断”という認知機能の5つの要素に着目して考えられており、下記の5つの分野(「覚える」「数える」「写す」「見つける」「想像する」)のトレーニングで構成されています。

 

<コグトレ「認知機能強化トレーニング」の構成>

 

上記は、基礎学力の土台づくりをする「認知機能強化トレーニング」のどのトレーニングが、どの認知機能に関わってくるのかということを表した図です。5分野のトレーニングを行っていくことで、さまざまな認知機能を強化できることが分かります。

 

そこで、次からは、具体的なトレーニングを紹介。今回の記事では、「覚える」「数える」分野のトレーニング、次回の記事では「写す」「見つける」「想像する」分野のトレーニングを取り上げます。

 

【コグトレ③】子どもの学力を疑うなら家庭で認知トレーニング!ー写す・見つける・想像する編―

 

「覚える」トレーニングで記憶と言語理解機能を強化

記憶には、視覚や聴覚といった感覚から入った情報を記憶する短期記憶と長期記憶がありますが、「覚える」トレーニングで強化するのは短期記憶です。

 

「コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング (プリントして使えるCD付き)」(三輪書店)では、“視覚性の短期記憶”“聴覚性の短期記憶と文章理解”に分けて11通りのトレーニングが紹介されています。

 

下記は、“視覚性の短期記憶”トレーニングのひとつ「数字はどこ?」の1例です。

 

【トレーニング1】数字はどこ?

 

数字はどこ?PDF(ダウンロードはこちら)

 

<進め方>

上記をプリントアウトします。子どもに10秒間見せ、同じようにマス目が書かれた用紙を用意して再現させます。

前述の本には、数字以外に文字や記号が書かれたトレーニングもあり、実際のトレーニングでは1回につき5題行います

 

こちらのトレーニングで強化する視覚性の単純短期記憶と視空間ワーキングメモリは、黒板に書かれた文字をノートに写す作業に関わっていきます。どこまで写して、次はどこを書けばいいのかということで困ることが少なくなっていきます。

 

次に紹介する「最初とポン」というトレーニングは、複数の言葉を順番に覚えることで“聴覚(言語性)ワーキングメモリ”を強化できます。

 

【トレーニング2】「最初とポン」

最初とポン PDF(ダウンロードはこちら)

 

<進め方>

上記のPDFをプリントアウトし、1~10の文章を読み上げます。子どもは、各文章の最初の言葉だけを覚えて紙に書くほか、文章に特定の言葉(例題の場合は動物)が出てきたらポンッと手をたたきます。

※最初の言葉の長さは自由です。例えば、6の文章では「冬」でも「冬の間」でもOK

 

「最初とポン」では、先生から「算数の教科書〇ページを開いて〇番の問題をやりなさい」と言われた際などに、“算数”“〇ページ”“〇番”といった言葉を順番で覚えていけるようになります。

 

 

「数える」トレーニングで注意力、集中力、処理速度アップへ

記号の数などを早く数えたり、計算することで注意力、集中力、処理速度を鍛えていくのが「数える」トレーニングです。

「コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング (プリントして使えるCD付き)」では、4種類のトレーニングが紹介されていますが、そのうちのひとつが下記の「まとめる」です。

 

【トレーニング3】まとめる

まとめるPDF(ダウンロードはこちら)

 

<進め方>

☆印を5個ずつ〇で囲み、〇の数と☆の数を数えて書きます。数えることの正確さだけでなく、毎回時間を測り、目標時間を設定したり、自己ベストを更新を目指したりしましょう。

※目標時間の上限は5分です。

 

「まとめる」トレーニングでは、記号を早くまとめて数えることで注意力と処理速度のアップを目指します。テストなど時間制限がある場面や日常生活で素早く適切な判断ができるようになっていくことでしょう。

 

「コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング (プリントして使えるCD付き)」には、問題のバリエーションも出題数もたくさん書かれており、飽きずに続けることができます。気になる人はぜひ手に取ってみてくださいね。

 

※記事内の記事の内容、トレーニングは「コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング (プリントして使えるCD付き)」宮口幸治(三輪書店)から出版社の許可を得て引用させていただきました

 

宮口幸治

監修/宮口 幸治

立命館大学産業社会学部・大学院人間科学研究科教授。少年院矯正教育から学校教育等へ応用した効果的な支援法について教育・心理・福祉・医療の観点で行う「コグトレ研究会」(http://www.cogot.net/)を主宰。著書が多数あるほか、全国で研修なども行っている。医学博士、子どものこころ専門医、日本精神神経学会専門医、臨床心理士、公認心理師。

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