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ソクたま会議室
2021.05.17
テーマ: いい先生ってどんな先生?

「いい先生」像はどの親にもある。けれど、全ての出会いに学びがある!/保育士、児童発達管理責任者・三好恵子

三好恵子

保育士・児童発達管理責任者として15年以上、療育に携わってきた三好恵子さん。3人の子どもの母として、たくさんの先生との出会いも経験してきました。三好さんの考える「いい先生」には、指導者としての視点と母親としてのリアルな視点が盛り込まれています。

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都会と地方、両方での子育て経験から私が感じたこと

私には、3人の子どもがいます。既に成人していますが読者の皆さんと同じように子育てを経験してきた一人の母親として、「いい先生」について考えました。

夫の職業柄、転勤が多かったため子どもたちは何度も転校を経験しています。北海道、東北、関東などいろいろな地域の学校と関わった中で、いくつもの違いを感じることがありました。

大きな違いとして感じたのは、選択肢の数の違いです。

都会は学校・習い事・友人等の選択肢がたくさんあります。また、教育方針・特徴・特性・立地等さまざまな角度から学校を選ぶことも可能です。

塾にしても、集団 ・個別 ・家庭教師・オンラインといった形態から講師までも選べるところが多いですよね。  隣駅の塾であっても、交通の便が良いので容易に通塾できます。

友人関係も分母が大きいのでクラス替えの意味がありますし、たくさんの人との出会いが期待できます。

一方、地方は選ぶほどの選択肢がないことが多いのです。進学先として選ぶ学校は、偏差値での判断だけということがほとんどでしょう。塾も近隣にあればラッキー。友人は、生まれたときからほぼ同じ。こういった場合が多いのではないでしょうか。

選択肢が多いと、迷いが生じやすいです。選択肢が少ないと、あまり迷いません。どちらにも、 メリット・デメリットがあるでしょう。

都会の学校の先生からは、“塾有りき”という話を聞いたことがあります。学習が遅れているなら、塾で補う。能力意欲があるなら、塾でレベルアップを目指す。

一方、地方の先生は学校での学習定着を強く意識して対応していると感じました。みんなが通塾できるわけではない。どこにでも、塾があるとは限らない…。

一般的に“都会の教育はレベルが高い”というイメージがあると思うのですが、教育に対する熱量は地方の方が高いのかもしれないと感じました。

地方は、五感を感じる機会が得やすいと感じています。 私は、子どもは五感を感じること、自然の中で感覚を養うことが何より大切だと思っています。

2016年に、神奈川県で起きた障害者殺傷事件。加害者は、「意思疎通のできない重度の障害者は不幸かつ社会に不要な存在であるため、重度障害者を安楽死させれば世界平和につながる」と発言しています。

無駄・邪魔・不要・意味がないというもの、言葉では片付けられないものは自然界にたくさん存在しています。子どもの頃、自然に触れる体験をたくさんしていたら、山林の木々にも小さな草花にも命があることを理解し、こういった 発想にはならなかったのではないかと考えることがあります。

命ある全てのものに、存在価値がある。そういった感覚を育てることが知育や才能を伸ばすのに大切なことなのではないでしょうか。

地方の先生たちは、地方だからこそ教えられる・伝えられることがあるというメリットに自信を持ち、子どもたちの自己肯定感につなげてほしいと思っています。都会の先生たちには、子どもたちの五感に訴える学びをもっともっとたくさん経験させてほしいです。

母として、発達支援に携わる者として考える「いい先生」とは

「いい先生ってどんな先生?」。これは、人それぞれ考えることは異なると思います。私が考える“いい先生像”は、5つ。

  1. どんなことも“面白い”と捉えられる人、心をフラットにして話を聞くことのできるオープンハートな人。
  2. 子どもたちを思う、愛情・熱情・真剣さを持つ人。
  3. 意見の違い・個性の違い・能力の違いや考え方を認め合い、尊重する人。
  4. 先生だって人間。間違えたり勘違いしたりすることもあるでしょう。そこを認めて謝れる人。
  5. バランス感覚のいい人。

子育て経験のある母親としての目線ではありますが、長きにわたって療育に携わってきた目線、私自身も「子どもたちにこのような先生でありたい」という思いもあります。

“先生”は、子どもたちの可能性を引き出して伸ばす素晴らしい職業!

昭和の時代は「教師聖職者論」が強く、現在は「教師労働者論」が強くなっていると感じています。けれど、どちらか一方の先生像に傾くのは良いと思えません。

先生たちには子どもたちにとってたくさんの可能性を秘めた大切な時期に出会う大人としてもっと自信をもってもらいたい。労働者でもあるが聖職者であり、専門性を持つ職業であるという意識が必要だと思います。

また、そのためには社会の仕組みもアップデートさせる必要があります。経験値や能力で教員としての専門性をレベルアップさせる仕組みや、仕事量に見合った賃金を実現させることも必要なのではないでしょうか。

「いい先生」と出会うために親が考えたいこと

保護者の中には、子どもの担任に不満や疑問を抱いたことのある人もいるのではないでしょうか。子どもの前で先生を批判することは避けたいものですが、対人間であるがゆえ相性はあります。

もし、わが子と担任の相性が合わないと思ったときは“期限付きの付き合い”と割り切ることも大事でしょう。

しかし、出会いとは何か。そこから学ぶことは必ずあるはずです。先生の嫌な部分ばかりを見るのではなく、良いところに目を向けることも親として大切な心構えなのだと思います。

三好恵子

18年間、保育士として発達支援センター・幼児教室・学童保育・保育園・児童デイサービス・居住支援相談センターに勤務し、相談カウンセリングを実施。これまでに対応した相談者は3000人以上で、知育・療育に関わった子どもは約1000人。親身で細やかな対応が相談者から好評を得ている。現在は、講演や講座も日本全国で実施。

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