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ソクたま会議室
2020.06.05
2020.08.22
テーマ: 学校ってなんだろう

安心・平等が保障された学びの場も、子どもの未来のために”更新”は必要/フリーアナウンサー・政井マヤ

政井マヤ

政井マヤ

3児の母でもあるフリーアナウンサーの政井マヤさん。子どもが不登校を経験したこともあり、「学校って何だろう?」という疑問はずっと考えてきたことなのだそう。政井さんが親として抱く等身大で真っすぐな願いと教育への強い思いは、多くの親が共感できる点が多いのではないでしょうか。

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学校がつらすぎるなら行かなくていい。でも学ぶことは止めないで

わが家の子どもたちは、小学校で不登校(短期・長期共に)を経験しました。だから、私自身“なぜ学校に行くのか?”という問いは以前から考えてきました。

結論として思い至ったのは、次の2点でした。

無理をしてまで行く理由は何もない

本人が安心できる場所と本人に合った学びができれば良い

この思いは新型コロナの影響でオンライン授業を体験しより一層、強くなりました。

初めて子どもが不登校を訴えた時には、さまざまな体の叫びのような症状(腹痛、視力・聴力の低下、睡眠障害など)が出るまで「きっと行けば大丈夫、今日だけと思って頑張っておいで」と言って何とか学校に通わせようとしました。いま思うと、そのせいでつらい思いをいっぱいさせてしまったと思っています。

不登校は、子どものアラートです。最初から「学校なんて…」と思っている子どもはあまりいないくて、胸を膨らませて入学した子どもがほとんどではないでしょうか。

それなのに、ある日「あれ、しんどい」「つらい」と足が止まってしまう。そのことを単なる甘えだと切り捨ててはいけないと、私自身の反省から強く思うんです。

不登校の理由はさまざま。一つだったり複数だったり、何となくだったり。

本人が“嫌なこと”の理由をはっきり自覚しているケースもあれば、周りからは何の問題がないように見えても“なぜか行きたくない”というケース、心と体のエネルギー不足というケースもあるでしょう。敏感で、カナリアのようにクラスの張り詰めたり不穏だったりする空気感に気づき息苦しくなる子どももいると思います。

「なぜ学校に行かなければならない?」と聞かれたら…。

学校は学びの場所であり、友達や先生との関わりも大切。そのための場所で、プロフェッショナルな先生たちがいてカリキュラムがあって、同年代の友達がいます。

子どもは社会の中で守られるべき存在で、教育の機会を保障されています。子どもたちが平等に良い学びができるように、安心安全に過ごせるように先生をはじめ多くの大人たちが常に配慮しています。そして、学んだ力は子どもたちの未来を豊かにしてくれる大切なスキル(技)でもあります。それに、ひとりで学ぶより友達と学んだ方が楽しいことや発見やいろいろなことが体験できます。先生や友達と出会い、遊び、学ぶ、大切な場所なのです。

もし今、子どもに「学校に行きたくない」と言われたら…。

「そっか。どうしたかな。疲れちゃった? 心がしんどいなら無理はしなくていいよ。心や頭、体が重く苦しいと感じる時はしっかり休もう。ただ、どうやって過ごすか、お勉強するかは一緒に考えようね」と答えると思います。

ただし、学校を休むのにもいろいろな状態があります。1日だけ休むのか、数日休むのか1週間以上なのか数ヵ月に渡るものなのか。それによって学びをどうするかは親子で一緒に考える必要があるし、もし学校に戻らないのであれば違う場所を見つけるのかという戦略を立てる必要もあります。

休む期間が長くなることで、クラスメイトに「何で休んだの?」と聞かれることもあります。そうすると、子どもは気後れして行きづらくなってしまうことがあります。

だから、子どもには「1日休むのは全然、大丈夫。それ以上お休みするなら2つ考えなきゃいけない」ということを話します。

  1. どうやって学びを続けるか
  2. どうやって戻るか、または戻らないか

「学校以外で学びを続けることは、実はまだ簡単ではないの。学びを止めないためにいろんなチャレンジを続けなきゃいけないの。ママたちも一生懸命調べたり相談したりするけど、簡単なことではないと分かって欲しいな。戻るタイミングもなかなかハードルが高い(もちろんそれを乗り越えた人はいっぱいいるの)し、学年が変わるまで行けないかもしれない。学年が変わっても戻れない、戻らない場合、転校かフリースクールか、ホームスクールかなどの選択肢も考える必要があるよね。どれが正解か選んでみるまで分からないし、まだ制度的に整っていないこともあるの。でも、家族はもちろん、たくさんの大人たちが応援してるからね」

今の私なら、こんな風に子どもと一緒に“学校”について考えると思います。そして最後に、子どもにこう伝えたいです。

「『行きたくない』という気持ちを教えてくれてありがとうね。道はたくさんあるから、無理しなくていいよ。一緒に一番良いと思える方法を探そうね」

良い先生がいて良い教育が成り立つ。そしてそれは子どもの宝になる

日本は、高校生までの世代でパソコンを使える学生が少ないという指摘があります。やっとタブレットの導入などが始まりましたが、早い時期にパソコンを使いこなせることは重要だと考えています。そういった意味では、新型コロナによる休校措置によって、遅まきながらタブレットやオンライン活用の必要性が高まったことは好機だったのではないでしょうか。

これを機に、子どもたちが生きる時代を見据えた教育を取り入れて欲しと思っています。

しかし、長期休校措置による慣れない自宅での学習は、取りこぼしや格差が心配なところ。なので、いま議論に上がっている“9月から仕切り直し”には賛成です。

海外の学校との連携(互いの留学、単位の交換など)を考えても、9月スタートにするメリットは多々あると思います。もちろん、ドラスティックな改革ゆえ乗り越える課題や難しいことは山ほどあるでしょう。でも、だからこそこの機会を逃してほしくないとも思うんです。

また、これを機に学年を一つ下げることも可能になってほしいと思います。(早生まれや療養、不登校など)全員がひとつのエスカレーターに乗り続けることを目指すのではなく、立ち止まったり、違う階段で挑戦したりすることがあっていい、と。今の日本の教育制度を見ていると、既存の体制に縛られすぎているがゆえに先生も子どもたちもしんどそうな印象を受けることがあります。

例えば…私が子どもの頃よりも、勉強する上での決まりごとが多くなりすぎて「そこまで?」「それをしないと絶対ダメなの?」と思うことがたくさんあるんです。

漢字ノートのページごとに記名をしなくてはならなかったり、不備のあったところにはいくつも付箋が貼られて完璧に直すまでどんどん増えていったり、筆箱の中の鉛筆の本数まで指定されたり。「〇〇しなければならない」というルールばかりが山ほどあって、その意味を考えたり自分で工夫する余地がありません。“いかにルールを疑わずに守れるか”ということが大事にされていると感じることさえあります。

言われたことはそつなくこなすけれど、驚くような発想・ユニークさ・答えのない問題解決など本来社会に必要とされるスキルを育てていない、摘み取ってしまっているとさえ思います。

誰も置いてきぼりにせず、“皆できるはず”という程度のところまで全員を引き上げてくれるという部分は日本の教育の素晴らしさです。ただ、そのために親も先生もできていないところばかりに注目し、克服することに注力しすぎてしまっているとも感じるのです。皆を均一に仕上げることでなく凸凹の個性、才能をさらに伸ばすことがイノベーティブな社会を作ることになるのではないでしょうか。

集団ではなく個人を大切にすること、人生は長くやり直しはいくらでも利くということを制度として体現してほしいと思っています。

だからこそ、先生を取り巻く環境も改善していってほしいと思います。先生たちがその個性を存分に発揮できるように、そのサポートを遇面も含めて国が行ってほしと切に願います。

良い先生に出会えることが、子どもたちの大きな宝となるのですから。

政井マヤ

政井マヤ

1976年メキシコ生まれ神戸育ち。2000年にフジテレビに入社、アナウンサーとしてニュース番組やバラエティ番組などで活躍。2007年にフジテレビを退社後、フリーアナウンサーに。2014年には「日メキシコ国交400年親善大使」に任命。Eテレ「高校講座・世界史」にレギュラー出演。 政井マヤブログ https://ameblo.jp/masai-maya/ 政井マヤInstagram @masai_maya_official

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