安心・平等が保障された学びの場も、子どもの未来のために”更新”は必要/フリーアナウンサー・政井マヤ
政井マヤ
3児の母でもあるフリーアナウンサーの政井マヤさん。子どもが不登校を経験したこともあり、「学校って何だろう?」という疑問はずっと考えてきたことなのだそう。政井さんが親として抱く等身大で真っすぐな願いと教育への強い思いは、多くの親が共感できる点が多いのではないでしょうか。
学校がつらすぎるなら行かなくていい。でも学ぶことは止めないで
わが家の子どもたちは、小学校で不登校(短期・長期共に)
結論として思い至ったのは、次の2点でした。
無理をしてまで行く理由は何もない
本人が安心できる場所と本人に合った学びができれば良い
この思いは新型コロナの影響でオンライン授業を体験しより一層、強くなりました。
初めて子どもが不登校を訴えた時には、さまざまな体の叫びのような症状(腹痛、視力・聴力の低下、
不登校は、子どものアラートです。最初から「学校なんて…」と思っている子どもはあまりいないくて、胸を膨らませて入学した子どもがほとんどではないでしょうか。
それなのに、ある日「あれ、しんどい」「つらい」
不登校の理由はさまざま。一つだったり複数だったり、何となくだったり。
本人が“嫌なこと”の理由をはっきり自覚しているケースもあれば、
「なぜ学校に行かなければならない?」と聞かれたら…。
学校は学びの場所であり、友達や先生との関わりも大切。
もし今、子どもに「学校に行きたくない」と言われたら…。
「そっか。どうしたかな。疲れちゃった?
ただし、学校を休むのにもいろいろな状態があります。1日だけ休むのか、数日休むのか1週間以上なのか数ヵ月に渡るものなのか。それによって学びをどうするかは親子で一緒に考える必要があるし、もし学校に戻らないのであれば違う場所を見つけるのかという戦略を立てる必要もあります。
休む期間が長くなることで、クラスメイトに「何で休んだの?」と聞かれることもあります。そうすると、子どもは気後れして行きづらくなってしまうことがあります。
だから、子どもには「1日休むのは全然、大丈夫。それ以上お休みするなら2つ考えなきゃいけない」ということを話します。
- どうやって学びを続けるか
- どうやって戻るか、または戻らないか
「学校以外で学びを続けることは、実はまだ簡単ではないの。
今の私なら、こんな風に子どもと一緒に“学校”について考えると思います。そして最後に、子どもにこう伝えたいです。
「『行きたくない』という気持ちを教えてくれてありがとうね。
良い先生がいて良い教育が成り立つ。そしてそれは子どもの宝になる
日本は、高校生までの世代でパソコンを使える学生が少ないという指摘が
これを機に、子どもたちが生きる時代を見据えた教育を取り入れて欲し
しかし、長期休校措置による慣れない自宅での学習は、取りこぼしや格差が心
海外の学校との連携(互いの留学、単位の交換など)
また、これを機に学年を一つ下げることも可能になってほしいと思います。(早生まれや療養、不登校など)全員がひとつのエスカレーターに乗り続けることを目指すのではなく、立ち止まったり、違う階段で挑戦したりすることがあっていい、と。今の日本の教育制度を見ていると、既存の体制に縛られすぎているがゆえに先生も子どもたちもしんどそうな印象を受けることがあります。
例えば…私が子どもの頃よりも、勉強する上での決まりごとが多くなりすぎて「そこまで?」「それをしないと絶対ダメなの?」
漢字ノートのページごとに記名をしなくてはならなかったり、
言われたことはそつなくこなすけれど、
誰も置いてきぼりにせず、“皆できるはず”という程度のところまで全員を引き上げてくれるという部分は日本の教育の素晴らしさです。ただ、
集団ではなく個人を大切にすること、人生は長くやり直しはいくらでも利くということを制度として体現してほしいと思っています。
だからこそ、
1976年メキシコ生まれ神戸育ち。2000年にフジテレビに入社、アナウンサーとしてニュース番組やバラエティ番組などを担当。2007年にフジテレビを退社後、フリーアナウンサーに。2014年には「日メキシコ国交400年親善大使」に任命。Eテレ「高校講座・世界史」にレギュラー出演中。 政井マヤオフィシャルサイト http://mayamasai.com/ 政井マヤInstagram @masai_maya_official