学校は子どもたちが地域とともに成長することを学ぶ場/プログラミング教室主宰・福井俊保
福井 俊保
プログラミング教室を主宰し休校中もインターネットを介して子どもたちと交流を続ける福井俊保さん。休校生活を送る子どもたちの感情の変化、そして、PTA会長を務めて改めて感じた学校の必要性とは?
目に見える子どもたちの変化
学校は3月から一斉休校が始まりました。当初その一斉休校は1ヶ月程度で終わると考えられていましたが延長され、その先もどうなるか今のところわかりません。
当初、学校がなくなって「ヤッター!」と言っていた子どもたちからも、最近では喜んでいる声は聞こえなくなってきました。
学校で勉強するのは嫌いかもしれません。「学校に行くのはめんどくさいなあ」と思う子どもたちもいるでしょう。でも学校で友達と遊ぶことは、子どもたちにとって非常に大切な日常だったようです。
私はプログラミンング教室を開き、インターネットを通じて子どもと話していますが、当たり前だった学校生活が奪われてしまった子どもたちは少なからずストレスを感じているように見えます。オンライン講座で保護者の方にお話しを聞いてみると、家でケンカしてしまうことが増えているようです。
学校は地域にとっても重要な場所
3月から一斉休校が始まっても、 PTA 会長を務める私は、何度か学校を訪れる機会がありました。子どもたちがいない学校は、本当に寂しい場所になっています。この学校に子どもたちの声が響くのはいったいいつになるのか、子どもたちがいない教室を見て寂しくなります。
そして改めて思ったのは、学校は子どもたちの場所という意味だけでなく、地域にとっても重要な場所だということです。
子どもに関わることで元気をもらう地域の方や保護者もたくさんいるのです。一方で、子どもたちは地域や保護者の方ととの関りから、人と協力することや人に感謝することの大切さを学んでいます。子どもたちは地域や保護者の方が、ボランティアで学校の手伝いをしているのを知っているからです。
今まで当たり前のように存在していた学校が今はありません。コロナの問題が終息したとしても、今までのような学校は戻ってこないかもしれません。またいちから新しい学校を作っていく。そんなことがこれから求められていくのかもしれません。
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プログラミング教室スモールトレイン代表。1976年生まれ。横浜市立大学大学院博士後期課程単位取得退学。 大学では数学、大学院では文系(国際政治)を学ぶ。大学院時代から中学受験塾で4教科を15年間指導した後、子どもたちが「考える力」を身につけるためのプログラムを開発したいと思い、プログラミング教室「スモールトレイン」を開校。著書に「エラーする力──AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育」(自由国民社)などがある。 スモールトレイン https://www.smalltrain.com/