教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

「仮眠タイム」「観光大使」など、学校で実際におこなわれた革新的な教育法

居眠り、集中力の欠如……ほかにも、やる気のなさなど様々な問題が教育界には蔓延しています。 今回は、そんな問題を解決するため、各学校で行われている工夫についてお話しします。

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教育現場でなされている数々の工夫

「兵庫県加古川市の加古川中学校で、全校生徒が一斉に昼寝をする「加古川シエスタ」が行われました。昼寝することで眠気を減らして集中力を高め、午後からの授業や部活動を活発にしようと、同校の生徒会が企画しました。(中略)生徒たちは疲労が取れたり頭がスッキリしたり、効果を実感したようです。」

「福岡県久留米市の明善高校では、2005年から午睡タイムが設けられています。(中略)15分間の昼寝ですが効果は絶大です。午後の授業への集中力が増し、センター試験の平均点も伸びました。保健室の利用回数や部活でのケガが減るなど、健康面でもよい結果が出ています。」

(出典 http://getnavi.jp/life/49473/)

 

これらの記事にあるとおり、居眠り、集中力の欠如……ほかにも、やる気のなさなど様々な問題が教育界には蔓延しています。

今回は、そんな問題を解決するため、各学校で行われている工夫についてお話しします。

 

仮眠タイムを設ける

冒頭で説明した仮眠タイムについてです。これは科学的にもとてもいいことです。

人間、食後は眠くなります。なぜかと言うと、食後は胃腸に全身の血液が集まり、脳の血液量が減るから。食後に眠くなるのは当然のことで、五時間目や六時間目に寝てしまう生徒が多いのも科学的には仕方のない事です。でも、教育現場としては困りますよね。

そこで、食後に仮眠をとることで、午後の授業や部活動の集中力を高めることができます。

また、昼寝は夜の睡眠よりも疲労回復効果が高いことで有名です。昼の睡眠は夜の睡眠の一番眠りの深いときと同じであり、夜の約三倍もの疲労回復効果があるんです。

最初に紹介した学校では、これを生徒会が企画したと言うから驚きですね。

 

地理の授業は「観光大使に任命」

東京学芸大学附属世田谷小学校の沼田晶弘先生の授業が、とてもインタラクティブだと話題になっています。小学校の内容だと侮るなかれ、大学どころか会社でも通用するような、非常に実践的な学習方法が提示されています。

(出典 http://hrnabi.com/2015/07/01/8634/)

こちらの記事に紹介されていた沼田先生の教育方法のひとつが、「観光大使に任命」。地理の時間、各都道府県を覚えさせなければいけないのですが、普通の学校ではプリントを配って暗記させ、テストするというような感じですよね。私の子供もこの方法で覚えさせられましたが、どうして覚えなければいけないのかわからず、結局小学校を卒業しても都道府県の名前も位置もわからないままでした。本格的に暗記を始めたのが中学三年生の受験シーズン。各都道府県の位置や特産品、発電所の位置などを暗記しなければならないので、その作業が非常に大変そうでした。

 

自分達の住む国について知ってもらうためにも、小学校の内に都道府県は覚えてもらいたい。そこで沼田先生が打ち出した教育方法はこうでした。

まず、子供達を自分の好きな県の観光大使に任命し、その県についてまとめさせ、パワーポイントを使って発表させる。パワーポイントは子供の興味をひきますから、もうこの時点で自発的な学習ができてしまいます。

そして、できたらひとりひとりにクラス全員の前で発表させます。これだけだとノートに纏める力がつかないので、最終的には紙にまとめて各都道府県の知事に送ったそうです。

これはとても先進的ですね。実際に特別観光大使に任命されたり、県のご当地キャラが学校に来たりと、勉強した結果が目に見えて現れ、生徒のやる気もみるみる増していったそうです。

 

この試みの素晴らしい点はふたつ。まず、ひとつは正しいアクティブラーニングの実践です。

自発的学習、アクティブラーニングが近年もてはやされていますが、アクティブラーニングを正しく実践している教師は少ないのではないでしょうか。ある教師に、「なにかアクティブラーニングを実践している?」と聞くと、「授業中に問題を出し、生徒に隣どうしで答えあわせをさせています」と返ってきました。たしかに、アクティブラーニングは成績のいい生徒が成績の悪い生徒に勉強を教えることで全体の学力向上を図る目的もあります。ですが、問題を出してその答えを話し合わせるのは、ただの確認であってアクティブラーニングではありません。

「教える」のではなく「調べさせ」「考えさせ」「疑問を持たせる」これがアクティブラーニングの本質のはずです。それを、沼田先生は見事に実践しています。

ポイントは、ただ「各県について調べてみてください」というのではなく、「観光大使に任命します」という言葉ですね。調べるという命令ではなく、観光大使になる→だから県に詳しくないといけないという動機づけをさせることで、生徒のやる気を引き出しています。まず目的を設定し、それに向かって自分たちで努力させているのが非常に素晴らしいです。

 

もうひとつは、勉強の成果を目に見える形で表すこと。ただ褒めるだけでなく、自分の努力が実際に形になったのをわからせることで、達成感と自己存在感を養うことができます。

 

堀江弘子

堀江弘子

はじめまして。わたしは子供のころから教育という分野に興味があり、教育の構造や考え方について学んでいます。これから教育について、いろいろなテーマでコラムを書いていこうと思っています。よろしくおねがいします。

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