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いじめはどちらが悪なのか?いじめの4分類をもとに考える原因と対策

いじめはいじめられる側が悪いのか?いじめる側が100パーセント悪いのか?両方悪いのだとしたら、双方の責任はどれくらいか?藤田英典先生のいじめの4分類を元に、それぞれの原因と対策を探っていきます。

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いじめる側が100パーセント悪なのか?

いじめというのは、教育現場で常に問題になる行為です。いじめの対策をするためにも、まず私たちが理解しなければいけないことは、いじめはいじめられる側が悪いのか?いじめる側が100パーセント悪いのか?両方悪いのだとしたら、双方の責任はどれくらいか?といったことです。

 

藤田英典先生のいじめの4分類を元に、それぞれの原因と対策を探っていきます。

 

いじめの構造を分類する

それでは、いじめにはどんな構造があるのでしょうか。ウィキペディアに掲載されている、教育社会学者の藤田英典先生の4分類を引用します。

 

①モラルの低下・混乱によるもの。1980年代中ごろに頻発したタイプで、被害者が偶発的に決定されるところに特徴がある。一種のモラル・パニックや集団ヒステリーといえる。

②社会的偏見・差別による排除的なもの。1のケースと比較するといじめの対象となった理由(特定の社会的属性を持っていたということ)は明瞭であり、差別意識自体を取り除く指導をすることがこの種のいじめの対策となる。

③閉鎖的な集団内で特定の個人に対して発生するもの。教師など外部から実態が把握しにくいぶん、対策は難しくなる。

④特定の個人への暴行・恐喝を反復するもの。3のケースと違って、加害者と被害者の属するグループは異なる場合が多い。不良が下級生からカツアゲするといったものが典型的なもので、認知されやすい。

 

これを私の言葉で簡潔にまとめると、

①善悪の判断の欠如によるいじめ

②差別によるいじめ

③個人に対するいじめ

④金銭など利益を目的としたいじめ

となります。

 

いじめの原因は?

さて、このような場合、いじめの原因はなんなのでしょうか?

 

①の善悪の判断の欠如によるいじめの原因は、社会の秩序が乱れていることにあると思います。この場合の社会とは日本国全体についても言えますが、もっと範囲を絞るなら地域、学校、クラスについても言えます。つまり、民度の低い地域、学校で過ごしていればおのずと生徒のモラルも低下し、いじめが起こってしまいます。

この場合、いじめられる側の責任はまったくありません。いじめの責任は加害者と被害者のあいだではなく、加害者とそれを取り巻く社会にあります。

①のようなケースのいじめを解決する方法は、いじめの加害者を取り巻く社会の民度を上げること。教師にできることは、根気強くクラスに道徳心を植えつけることです。一方的に「いじめはよくない」といった演説をするよりは、なにかいいことをした人をアンケートし、毎日表彰するとか、社会にとって正しい行いを体感させることが効果的です。こういったいじめは被害者加害者という小さな関係だけを見るのではなく、彼らを囲む大枠を認識しなければ解決することができません。

 

次に、②、差別によるいじめです。これに関しても①と同じようなことが言えます。ただ、幼いころから埋め込まれた差別意識をなくすのは困難です。この場合は被害者側の生徒に働きかけることが必要になるかもしれません。たとえば、部落出身でいじめられている生徒は差別の少ない地域に転校させるとか、障害が原因でいじめられている場合は適切な治療を受けさせ、特殊学級など適切な環境に入れるとかです。

 

③の個人に対するいじめの原因は、いじめられる側、いじめる側といじめられる側の関係、二種類があります。

まず、いじめられる側に原因がある場合。他の人と比べて極端に劣っている、あるいは極端に優れている、家庭環境に問題があり、素行が非常に悪い、人の話を聞かずに自分の話ばかりする……などです。

この場合は、いじめられる側に責任の一端がある場合があるかもしれません。その原因によって他の人を不快にさせている可能性があるからです。いじめられている側に原因がある場合、彼ら彼女らはどこにいってもいじめに合うでしょう。教師は、その原因を早急に取り除く必要があります。もちろん、いじめられている人の心のケアをしながら。

次に、いじめる側といじめられる側の関係に問題があるケース。たとえば、いじめられる側がいじめる側の好きな人に好かれているとか、喧嘩がこじれていじめに発展してしまったとかです。

この場合は、責任は状況に寄りますが、いじめられる側にもあることがあります。いじめる側といじめられる側の関係に問題がある場合は、踏み込みづらいので解決が難しいです。被害者加害者の両方、そして周囲の人から聞き取りをしながら、時間をかけて双方に心を開いてもらえるようにするのがいいでしょう。

 

④、金銭など利益を目的としたいじめでは、これは間違いなくいじめる側が悪いです。このような場合は犯罪ですので、すぐに校長に相談するか、警察などの外部機関に相談するべきでしょう。

 

いじめの解決には責任の所在把握が大切

このように、いじめを解決するためには、被害者と加害者、あるいはその周囲のどこにどれだけ責任があるのかをしっかり把握し、適切に働きかけることが必要です。

 

堀江弘子

堀江弘子

はじめまして。わたしは子供のころから教育という分野に興味があり、教育の構造や考え方について学んでいます。これから教育について、いろいろなテーマでコラムを書いていこうと思っています。よろしくおねがいします。

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