教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.01.15

【今さら聞けない】偏差値の算出方法と効果的な使い方とは

志望校を選ぶときや自分の学力レベルを測るとき、目安にする偏差値。模擬試験のたびに一喜一憂した人も多いと思いますが、をきちんと知って使っていましたか? わが子の中学、高校、大学のいずれの場合でも受験では、振り回されることになってしまいそうな偏差値の見方や使い方などを改めて紹介します。

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なぜテストの点数だけではダメなのか

例えば、2度の模試があったとします。国語の点数が、1度目は60点、2度目は80点だったら、あなたはどう思いますか? 

 

もしかすると「前回より成績が良くなった」「学力が上がった」と考えるかもしれません。しかし、1度目と2度目では、当たり前ですが問題の内容は違います。もし、2度目のテストが簡単なだけだったとしたら、点数が上がった=学力が上がったとは考えられません。

 

つまり、点数や平均点、順位では、今回のテストに対しての自分の学力しか知ることができず真の学力を測ることはできないのです。

 

そこで活躍するのが偏差値です。テストの点数や順位が“周囲のことは考えずに自分がどの程度できたのか”を知ることができるとすれば、偏差値は“周囲と比較して自分がどの程度できたのか(周囲と比較した自分の立ち位置)”を客観的に知ることができます

 

また、偏差値を使うと教科ごとの比較もしやすくなります。例えば、自分は国語より英語の方が受験生全体の中では上位にいるといった見方もできるので、これから得意科目と苦手科目どちらに力を注ぐかなど、勉強法やプランの見直しにも役立つのです。

 

 

 

「偏差値」の計算の仕方とは?

それでは、次に偏差値の算出方法を紹介します。

 

偏差値=(自分の点数ー平均点)÷標準偏差×10+50

 

このようにして偏差値は、算出されています。ちなみに標準偏差とは、得点の散らばり具合を表す数値のことで模試や科目によって毎回値が異なります。

 

(例)Aさんの偏差値を出してみましょう

(Aさんの点数) 80点 

(生徒全員の点数)  65点、70点、80点、85点、75点

(平均点) 75点

(標準偏差) 7.90569 

偏差値=(80-75)÷7.90569×10+50=56

 

Aさんの偏差値は56となります。

 

この偏差値ですが、算出しているのは、文部科学省ではなく擬試験などを主催する民間業者です。主催した模試の結果で算出するため同じ学力の人間が同じタイミングで受けたとしても業者によって偏差値の差異が出てきてしまうことは否めません。

 

しかし、同じタイミングで合否を争う人たちの中での“自分の力量を客観的に見る”ことができる偏差値は、進路を決めていくうえで有効な目安になります。

 

そして、模試の規模=受験者の人数、レベルによって正確性は違いますより大規模な模試の偏差値の方がリアルな力量を知ることができることも覚えておきましょう。

 

 

 

「偏差値」はひとりの教師の情熱から生まれた

現在は、当たり前に使われている偏差値ですが、意外にもその歴史は浅く学校の教育現場という身近なところから始まりました。

 

偏差値は、1960年代に中学教師の桑田昭三さんの教え子が受験に失敗したことから始まります。

偏差値がない時代の進路指導は、テストの点数や過去の合格状況、教師の長年の勘といった難易度や主観をもとに行われており、客観的に生徒の学力を比較することができませんでした。

 

そこで、生徒の受験が失敗したことに対する自身の不甲斐なさ、悔しさ、生徒へのつぐないの気持ち、適切な指導で合格へ導きたいという想いから、誰から見ても論理的で納得感のある学力の評価基準を生み出すことを決意。

 

そして、桑田さんは、受験生の学力データを10万ケース以上集めて、データの分布が正規分布(※)に近づくことを実証していき、偏差値が誕生したのです。

 

現在は、偏差値主義の教育に疑問を投げかける声もありますが、もともと偏差値は、子どもたちの将来を左右する1点の重みを知り、論理的なアドバイスで多くの生徒たちを導きたいという熱い想いから生まれているのです。

 

※正規分布とは、平均値である真ん中周辺部分が高くなり、左右対称の釣鐘型をしている分布のこと。模試の点数分布を見ると平均点付近が最も受験者数が多く、平均点から離れるほど少なくなっていくケースが多い。受験者数が多ければ多いほど、ばらつきが減って正規分布に近づく。

 

 

 

「偏差値」だけが学校選びの基準ではない

偏差値は学力を知る便利なものさしのひとつです。しかし、そもそも偏差値は、子どもの希望する進路をあきらめさせるためのものではなく適切に指導するために生まれたのです。

 

偏差値が志望校の合格ラインより下だったといって不合格と結論付けてまうのではなく、どうすればその合格ラインを越えられるのかを考える材料にするのです。

 

「いい」「悪い」を判断するものではなく、これからどうしていくのかを話し合うきっかっけにすれば、偏差値が、こどもの希望(志望校合格)を叶えるために、親子の立ち位置と目線を合わせるきっかけになるかもしれません。

 

真帆

真帆

2005年茨城大学教育学部卒業。小中学校、高校の教員免許取得。自分の子どもが発達障害であることをきっかけに、子どもの脳の発達の仕方や個性・強みを伸ばすための声かけ方、教育の関わり方を改めて学び中。朝起きとマインドフルネスを日課にする二児の母。

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