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2023.06.02

合計特殊出生率「1.26」の日本が学ぶべき他国の少子化対策…ハンガリーは「所得税免除」など多数の施策

2023年6月1日、岸田文雄首相は「異次元の少子化対策」の方針案として、「児童手当の拡充」や「こども誰でも通園制度」といった案を提示しました。しかし一方で、税源確保のため、「扶養控除」の見直しが検討されていることに、疑問の声が噴出しています。
少子化は日本だけの問題ではありません。他国の中には、少子化問題を解消するため、まさに“異次元”の対策に取り組んでいる国々があります。今回は、世界各国の「異次元の少子化対策」をご紹介します。

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ハンガリーの少子化対策|至れり尽くせりの少子化対策で成果も

ハンガリーでは、「4人目を出産した女性の所得税免除(定年まで)」「25歳までの男女は子どもの有無にかかわらず所得税免除」などの制度を設けています。日本では、所得税が気になって収入を抑える人は多いですが、収入にかかわらず免除になるのはありがたい……!

なんとハンガリーでは、この制度によって100万人以上の母親が所得税免除の恩恵を受けているとか。総人口が約977万人とされているので、人口の10分の1以上に適用されているなんて驚きですね。

また2022年には、一律15%が課されている個人所得税を、25歳未満の男女に対して免除する政策を開始したそうです。出生率の向上はもちろん、国内労働力の確保としても期待できるでしょう。

他にも、

  • 結婚奨励金
  • 体外受精費用を全額補助
  • 3年間の有給育児休暇
  • 2歳までの保育料無償
  • 第3子出産で学生ローンを全額免除
  • 学生ローン返済減免
  • マイホーム購入の補助金
  • 3人以上の子どもがいる家庭の新車購入補助金

……など、結婚や出産、子育てに関わる政策をいくつも打ち出しています。至れり尽くせりの手厚い内容に脱帽です。実際に、子どもを望むハンガリー人は10年で2割増加。結婚数や女性の就業者数は増え、離婚数や妊娠中絶数は減ったのだそう。

フランスの少子化対策|子どもが多いほど減税になる「N分のN乗方式」

フランスは、子育て中の世帯への減税効果のある「N分のN乗方式」制度を採用しています。

これは子どもの数が多い家庭ほど、所得税が軽減される仕組みのこと。1946年の導入以来、出生率向上にある程度の効果が認められたとか。

日本もフランスに倣って「N分のN乗方式」の導入を議論したものの、

  • 高額所得者に有利な制度である
  • 共働き世帯に不利になる
  • 格差の拡大につながる
  • 所得税制度の大規模な改正が必要になる

……などの理由で見送られているようです。

フランスでは他にも、

  • 第3子から支給される家族手当
  • 就労自由選択補足制度
  • 産前産後の費用の全面無料化
  • 高校までの授業料無償
  • 3人以上養育した人に10%の年金加算

……などの制度が導入されています。こうした取り組みが奏功し、フランスの合計特殊出生率(1人の女性が生涯で出産する子どもの数)は2010年に2.03人に達しました(※2020年は1.83人、日本の2022年の合計特殊出生率は過去最低の1.26人)。

ニュージーランドの少子化対策|世界初の「幸福予算」を導入

ニュージーランドでは「幸福予算」を導入しています。

施行は2019年。「子どもの貧困」「家庭内暴力(DV)」「精神疾患」の3つの問題について多額の国家予算をつぎ込むことで、国民全体の幸福度向上を目指す取り組みなのだとか。

確かに、子どもの貧困や家庭内の問題をなくせば、出生率アップにつながる……かも?

この制度は世界的にも高く評価されましたが、成果を数値化できるものではないため、一部では疑問の声があがっているそうです。

25歳までは全員免除、4人目を出産した女性は免除……など、世界の「異次元の少子化対策」に羨望のまなざしを向けざるを得ません。

「日本の異次元の少子化対策」は、内容はもちろんですが財源確保の観点からもまだまだ問題が山積み。世界の“良いところ”を取り入れながら、誰もが納得するような政策を打ち出してほしいですね。

<参考資料>
TBS NEWS DIG 「扶養控除」見直し検討 異次元の少子化対策で“児童手当拡充”も… 負担増のおそれは【news23】
JP press 人口増加に執念、ハンガリーの「すごい」少子化対策
うしじまクリニック ハンガリーの手厚い少子化対策に日本も学べ!
NRI 少子化対策としての所得税「N分N乗方式」導入には大きな課題
経済のネタ帳 フランスの合計特殊出生率の推移
読売新聞オンライン 2022年の「合計特殊出生率」、過去最低の1・26…出生数も初の80万人割れ
オリックス 世界初・ニュージーランドが始めた「幸福予算」

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