大学生が「仕事の価値観」をディスカッションした結果→若手のモチベーションが明らかに

「今の若者はすぐに仕事を辞める」とニュースなどでたまに耳にします。小中学生でもユーチューバーが人気の職業にランクインするなど、若者の「仕事の価値観」は時代と共に移り変わります。
キャノンマーケティングジャパンがフリーマガジン「chFILES」と共にワークショップやディスカッション、アンケート調査を行ったところ、コロナ禍に学生生活を送った若者たちの仕事観が明らかになりました。
仕事を通してコミュ力をアップしたい
「仕事を通じた自己成長とはどのようなことを指しますか?」と質問した結果がこちら。

若者とオトナ世代のどちらも、1位を獲得したのは「多様な経験」。仕事経験を通して自分を成長させていきたい……という期待がうかがえます。
しかし2位以降は顕著に差が出ました。
オトナ世代が「視野の拡大」「専門性の向上」というように“自分”に軸を置いているのに対して、若者世代は「コミュニケーション力の向上」「人脈の広がり」など“他者との関わり”をメインにしています。
若者世代が人と人とのつながりを重視しているのは、SNSの普及が後押ししているのではないでしょうか。他者とつながって、良好な関係を築くことが、自己成長を実現すると感じているようです。実際、ディスカッションでは「周囲の人と良好な関係を築きながら出世する」と、したたかな回答をした若者もいたそう。合理的かつ計画的ですね!
プライベートを充実させたい
「甲斐性」なんて言葉が流行したひと昔前は、仕事がすべてで、仕事に生きる意味を見出し、仕事をガツガツこなすのが良い大人……いう風潮がありました。
しかし今の若者は、仕事とプライベートを同じくらい大切にしたいようです。「仕事の生産性を向上させたい理由は何ですか?」と質問したところ、このような結果となりました。

与えられた仕事をこなすのは当然ですが、良い評価を得るよりも、プライベートの時間を捻出するために頑張るという傾向があるようです。志望動機でありがちな「会社に貢献したい」は24%に留まりました。
パーソナルキャリアが20~30代におこなったアンケート調査も、同じような結果になっています。

「プライベートと同じくらい仕事も重要だと思いますか?」の問いに対して、7割以上の方が「そう思う」と回答しています。プライベートが充実すれば、仕事のモチベ―ションも上がります。また、その逆も然りですね。シーソーでたとえるなら、うまくバランスが取れている状態でしょう。
仕事メインの生き方が当たり前だったオトナ世代も、「早く帰って家族と過ごしたい」「休日出勤よりも趣味の〇〇を楽しみたい」というように、仕事とプライベートの両立を図ったこともあるはず。しかしそれを表に出してはいけないような風潮がはびこっていたので、結局は仕事を優先せざるを得なかったでしょう。
しかし最近では働き方が多様化してきたため、プライベートにもしっかり目を向けられるようになったということもありそうです。今後「仕事」は自己成長よりも“プライベートを充実させるための単なる手段”でしかなくなるかもしれませんね。

大学生が「仕事の価値観」をディスカッションした結果、人とのコミュニケーションを重視しつつ、プライベートもしっかり確保したいという姿勢であることが分かりました。働きづめになりすぎず、上手に息抜きしながら、納得のいくキャリアを築けたらいいですね。

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。