有休が足りない、正社員を続けられない。困難を究める「仕事と育児の両立」のリアル

進学の際に直面しがちな、「小1の壁」。「小学校に入ったら仕事と育児が思うように両立できなくなった」と悩む方は多いでしょう。アフタースクール寺子屋は、小1~小3の子どもを持つ保護者を対象に「小1の壁」についてのアンケート調査を行いました。先輩たちも、仕事と育児の両立に頭を抱えているようですよ。
小1の壁を感じたことはありますか?
「“小1の壁”を感じたことはありますか?」という問いに対しては、「ある」と「ない」がおよそ半々の結果になりました。「ある」と回答した方の内訳を見ると、「仕事と家庭の両立に苦労した」「学校の長期休暇を考慮する必要があった」「学校における保護者の役割が増えた」がTOP3に。

特にNo.1の「仕事と家庭の両立に苦労した」については、保護者たちから切実な声が寄せられており、困難を究めていることが分かります。
- 学童クラブに申し込んだが入れなかった。お迎えの時間が早いので仕事に影響が出た(30代/女性/福島県)
- 食品会社に勤めているので、ノロウイルスになると菌が無くなるまで出勤できないため、1ヶ月近く休むはめになった(30代/女性/栃木県)
- 仕事で家にいない時に子どもが勝手に友達を家にあげていた(30代/女性/神奈川県)
- コロナ禍ですぐ学級閉鎖になり、仕事を休んだら有休消化するしかなく、有休が足りなくなった(30代/女性/岡山県)
- 朝晩は毎日ダッシュ、保育園お迎え→学童お迎え、次男がトイトレ中だったのでお迎えの途中でトイレを探し回ることもあった(40代/女性/神奈川県)
下校時間や長期休暇を考慮して、勤務形態や勤務時間を変える保護者が多く見受けられます。低学年だと家で留守番させるのは危なっかしいですし、どうしても保護者が融通をつけなければならないですよね。子どもが流行りのウィルスに感染すると親も仕事を休まざるを得ないのもつらいところです。
筆者も長期休暇中は子ども(小学2年生)を学童に預けていますが、申込みのたびに毎回ハラハラしています。今年の冬休みは、定員35名に対して35名の申込があったそうでギリギリ入室許可が下りたのですが、もし次回1名でも多く申請したら、選考から落とされるのは私かもしれません。幼稚園時代は、申し込めば選考なく預かってくれたのに……。
家庭と学校だけじゃない! 「預かり場所」を確保する家庭多数
昨今、家庭と学校以外の“居場所”を持つ子も多いようです。「学校以外の場にお子さんのコミュニティ(習い事、学童など)はありますか?」と質問したところ、およそ8割が「ある」と回答。内訳としては、「習い事」がダントツのNo.1で、「スポーツクラブ」「学童」……と続いていきます。

保護者にとっては“子どもを預けられる貴重な場所”、子どもにとっては“スキルを伸ばしたり新しい人間関係を楽しめたりする場所”。双方にとって大きなメリットがありますね!
「小1の壁」に苦しんでいるなら、こういったコミュニティが助けになるかもしれません。たとえば長期休暇の預け先に困っているなら、学童に入れたり、「冬期限定!スイミング短期コース」「算数マスターへの道!冬休み特別講習」といった習い事のイベントに参加させたり。
子どものためにがんばって働いているのに、子どものサイクル(小1の壁、下校時間が早い、突然の学級閉鎖など)が原因で仕事と育児が両立できなくなったら本末転倒です。コミュニティを活用しながら、どうにか「小1の壁」を乗り越えていきましょう!
<参考資料>
・PR TIMES(株式会社青月社)

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。