「地震対策」した家・しなかった家の決定的な違いとは?【家族を圧死させない方法】

9月1日は防災の日でしたが、皆さんのお宅の地震対策は万全ですか? 「やらなきゃとは思っているけど、つい後回しに…」という方は、国内外31の被災地で活動してきた辻直美さんの新刊『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』をチェックして! 同じマンションでも、地震対策している家としていない家とでは、こんなにも差があるんですよ。
地震の死亡原因で最も多いのは「圧死」
万が一に備え、防災グッズを用意している家庭は多いかもしれませんが、自宅の地震対策はいかがでしょうか?
地震が起きたときの死亡原因としてもっとも多いのは、がれきや家具の下敷きになり圧迫され窒息してしまう「圧死」だそうです。阪神・淡路大震災でも、亡くなった方の77%が窒息・圧死だと言われています。
専門家の間では、首都直下型地震や南海トラフ地震がこの先30年間に発生する可能性は70〜80%という予想もされています(2022年6月時点)。
こうした数字を見ると、いつか起きるであろう大地震に備え、地震対策をしておくことがいかに大切なことか実感しますよね。
東日本大震災、熊本地震をはじめ、国内外31の被災地で災害レスキューナースとして救助活動をしてきた辻直美さんも、自宅の地震対策は「家族の命」に関わる重要案件だと伝えています。
「地震に強い部屋づくり」で被害を最小に
実際に地震が起きた際、地震対策をしていた家としていなかった家では、どれだけ差のがあるのでしょうか。
2018年6月18日に震度6弱の大阪府北部地震が起こったときの、辻さんの家(地震対策していた家)とお隣の家(地震対策していなかった家)のキッチンの様子がこちら。


差は一目瞭然ですね。同じマンションの同じ間取りの空間でも、対策をする・しないではこんなにも被害に差があるようです。
こちらは寝室の様子。


「地震に強い部屋づくり」をしていた辻さんの家は、まったく被害がないのに対し、地震対策をしていなかったお隣の家はベッドの上にタンスが倒れています。
もしもこのベッドで家族が寝ていたらと考えると、とても恐ろしい…。
同じ部屋でこんなにも差があったのですから、「地震に強い部屋づくり」にはたくさんのお金と時間がかけられていると思いますよね。
しかし辻さんは、大掛かりなことをしなくても、100円ショップで買えるアイテムを使い、ちょっとした工夫をするだけで地震に強い部屋は作れるといいます。
これだけはやってほしい5つの地震対策
では、どのようにすれば「地震に強い部屋」は作れるのでしょうか?
地震対策をするうえで「これだけはやってほしい5つのポイント」があるそうです。
1.腰より高い位置に重いものを置かない
2.家具の重心を低くする
3.玄関までの避難路の確保
4.寝る前だけ片づける
5.どこか1か所「安全地帯」をつくる
この5つのポイントを押さえながら、部屋を見渡してみてください。
筆者の家も、万が一の備えとして防災グッズは用意しているものの、「地震に強い部屋にする」という視点はまったく持っていませんでした。
大地震が起きたことを想定してみると、ベッドの横に棚があったり、棚の上に陶器のインテリア雑貨を飾っていたりなど、意外と危険な個所が多いことに気づきます。
辻直美さん新刊『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』では、知らないと命に関わる、地震に強い部屋づくりのポイントが他にも解説されています。
例えば、簡単にできる地震対策として、開き戸の取手にS字フックをかませておくだけで、扉が開いて食器などが落下するのを防ぐことができます。これなら手間もお金もかけずにできそうですね。
この1冊は、家族の命を守る1冊になるかもしれません。
コロナ禍で、自宅にいることが多い方もたくさんいるのではないかと思います。
お部屋の防災を見直し、100円ショップのアイテムを活用しながら、地震に強い部屋づくりをしてみませんか?

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。