娘の不機嫌は、反抗期? 様子が「いつもと違う」と思った時、お父さんに考えてほしいこと

生理について、お父さんと話したことはありますか?
女性は生理にともない、毎月のPMSや更年期障害など、体や心に不調があらわれます。
男性にはわからない、女性のさまざまな変化……。
株式会社Entaleは、「父と子の生理に関する意識調査」をおこなったそうです。その結果から、女性たちの現実と意外な本音がわかりました。
娘の不機嫌は反抗期?
アンケート対象者は、10~50代の女性674名。
「父親はあなたの生理に伴う不調やPMS・更年期障害などを知っていますか?」の問いについて、「全く知らない」の回答が41.7%にもなりました。

別のアンケート項目で「生理やPMS(月経前症候群)について父親と話したことがありますか?」と聞いたところ、「ある」の回答はたったの19%でした。

「生理」を話題にする機会がないと、「全く知らない」の割合が増えるのは当然かもしれませんね。
実際、「生理やPMSについて父親と話すきっかけ」は、「体調不良になったから」がダントツのトップでした。

家でぐったりしていると、やはりお父さんは心配してしまうもの。しかも毎月のように体調不良になると、「どこか悪いのか? 病院行くか?」と心配がどんどん加速してしまうことも……。「生理だから」のひと言を口に出せたら、お父さんの言葉やサポートの仕方も変わってくるでしょう。
筆者は、父親と直接そういう会話をした記憶はありません。性に関する話題自体がタブーのような家庭だったので、おそらく母も話題にしなかったでしょう。
ワケもなく機嫌の悪い私を見て、父親はどう思っていたのでしょうか。特に学生時代は「反抗期か?」で済まされていたような気もします。
生理のこと、お父さんにも知ってほしい!
父親と生理にまつわる話をした割合は少ないものの、およそ4割の女性が本音では「理解してほしい」と思っているようです。

しかし、 「はい」とほとんど同じくらい、「いいえ」の回答も目立ちますね。
年代別での回答は掲載されていませんでしたが、「フェムテック」が普及している昨今ですから、筆者は若年層の女性ほど「はい」の割合が高いような気がしています。
生理があっても、働きやすい環境に……
なぜ理解してほしいのかと質問すると、女性たちからはさまざまな声が挙がったそうです。

このように、多くの女性は「心身のサポートをしてほしいから生理について知ってほしい」と考えているようです。
他にも、社会で働く女性たちへの理解を求める声も目立ちました。
- 自分以外にも生理に伴う不調を抱えながら生活をする女性がいることを知って欲しいから
- 家庭以外の社会や職場で女性特有の体調不良などを理解してほしいから
働く女性はどれほど体調が悪くても通常通りの業務をこなさなければなりません。東京新聞によると、生理休暇の取得率は1%未満だそうです。
筆者の前職の上司を想像してみました。もし筆者が生理休暇の申請をしたら、「そんなことで休みを取るな。やる気がないのか? 他の女性たちはみんな頑張っているじゃないか。甘えるな」など批判され続けそうです……。
男性の理解がすすめば、女性にとってもっと働きやすい社会に変わっていきそうですね。
父親と「生理」の話をしたいけれど、恥ずかしい
父親といっても、異性です。父親、男兄弟、男友達など、「同性以外に生理の話なんて無理!」と気が引けてしまう方も多いでしょう。まして思春期の子ならなおさらです。
父親は、「生理」の存在自体は知っているでしょう。ただ、具体的にどこまで理解しているのかは疑問が残ります。
昨年、“男性だけで開発した生理用ショーツ”が女性たちの間で炎上したのは記憶に新しいところ。テレビでも何度か紹介されましたが、『経血をサラサラな液体だと思っているの?』『着けたままだと雑菌が繁殖して痒みのもとになる』など、そのたびにTwitterが荒れました……。
もし、「父親と生理の話をしたいけれどできない」という方は、コンテンツやセミナーを活用するのも一つの方法です。たとえば父親向けの「生理」に関する動画や書籍、自治体や学校が主催する「生理」に関するイベントやセミナーなど。

自分からは言い出しにくければ、母親と相談して、母親から「こういうイベントがあるんだけど行ってみない?」と声をかけてもらうのも良いかもしれませんね。
女性の社会進出にともない、男性には「女性」という生きものへの理解が求められます。
まだまだ生理休暇さえ満足に取得できない世の中ですが、「世の中の女性はいつもこれほど大変なのか!」と男性に理解が浸透していけば、きっと誰もが暮らしやすい世界へと変わっていくでしょう。

生理は女性の心身に大きな影響を及ぼします。女性の社会進出やフェムテックの普及にともない、もはや「知らない」では済まされません。
一番身近な異性である父親が、生理のことをきちんと理解していれば、女性たちは家や社会でもっと暮らしやすくなるはず。直接話題にすることはもちろん、動画やイベントなどもぜひご活用くださいね。
<参考資料>
・株式会社Entale【10代~50代の女性に聞く!】父の日に合わせ「父と子の生理に関する意識調査」を発表(PR TIMES)

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。