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2022.06.01

主婦の再就職へ7つのステップ!令和の後悔しない求人情報の探し方とは

厚労省によると、児童がいる世帯の72,4%が何らかの仕事をしているそう。ですが、主婦の再就職は簡単ではありません。不安も大きい中、再び社会へ出ていく道筋をキャリアコンサルタントの市川美和さんに伺いました。

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※本ページはプロモーションが含まれています

お話を伺ったのは…

市川美和さんキャリアコンサルタント

国家資格キャリアコンサルタント。サンケイリビング新聞社にて、女性組織マネジメント・企画・営業・新規事業開発、デジタル部門責任者等を経験した後、同社を卒業。現在は、オンラインサロン「アカデミア・ミネルヴァ」の代表を務めるほか、さまざまな業種の経営支援や組織マネジメント支援、商品開発サポート、個人向けのキャリアコーチングなどを行っている。著書に「どこへ向かうべきか迷っているあなたへ」(実業之日本社)がある。

【ステップ0】求人情報を見る前にすべきこと

再就職を考えたとき、まずは求人情報を見る人が多いのではないでしょうか。職種や条件、給与を見て、何となく自分が雇ってもらえそうな場所を探すかもしれません。

ですが、今の40~50代は、シニアになっても働き続けなければならないことになりそう…。

もし、老後も見据えて長く働き続けることや人生のシフトチェンジも考えるなら、今を再キャリアを築き始める一歩にしませんか?

女性活動支援に長く携わってきたキャリアコンサルタントの市川美和さんは「主婦の再就職には、お金以外にも得られるものが多い」と話します。

再就職は家庭以外の自分の居場所を作ること、妻でも母でもない一人の女性としての生き方をスタートすることです。

以前、大学教授の方から『いろんな顔を持っている人ほど幸福度が高い』という話を伺ったことがありますが、社会に出るということは、職場でもう1つの顔が出きるということであり、あなたの幸福度を上げてくれるはずです。

最初の一歩を踏み出すときは『私にできるだろうか』とネガティブになってしまいがちですが、考えすぎずに行動してみてください」(市川さん、以下略)

5年後、10年後の自分を想像しよう

再就職をしようと思ったとき、真っ先に求人情報を見る人が多いかもしれませんが、まずは「5年後、10年後の家庭も仕事も含めた理想の人生、自分自身が幸せを感じられる生き方をイメージしてほしい」と市川さんは提案します。

「例えば、『趣味のフラワーアレンジメントを教えてみたい』『フルタイムで働いていて、子どもに十分な教育費がある』『正社員でイキイキと働いている』など、幸せな自分の姿をイメージしてみてください。

『どういう状態が自分にとっての幸せなのか?』を改めて考えることで、『どうやって幸せな状態を実現していこう』と人生設計しやすくなります。

もし、5年後の理想の自分が『習い事の先生』だった場合、『そのために私は今、何をしなければいけないのか?』という計画が立てやすくなります」

仕事と人生は切り離せるものではありません。理想とする人生を思い描くことで自分の生き方や生活に合った働き方がイメージしやすくなるはずです。

「これまで子ども(家族)中心に生きてきたと思いますが、『子ども(家族)の幸せ』ではなく『自分の幸せ』を考えることが、これからの幸せな人生やキャリアを作っていくスタートラインに立つことになります

主婦の再就職に向けて将来想像するイメージ画像

【ステップ1】今の自分を客観的に見る

次は求人情報を見る上で、現実的に働ける場所を見つけるための準備です。

まずは、今の自分がもっているキャリア資本について見直します。キャリア資本とは、今までの蓄積のこと。今回の場合、仕事を始める上で活用できる人材やサービス、経歴、人脈などのことです。

具体的には、下記について点検してみましょう。

  • パートナーの理解や協力はあるか
  • 夫以外に頼れる人は近くにいるか
  • 今までの経験(スキル、資格、出来事)
  • 人脈

例えば、パートナーの協力レベルや頼れる人の有無で、仕事に使える時間や扶養範囲で働いたほうがいいのかが決まっていきます。

また、今までの経験(スキル、資格、出来事)は、再就職する上での武器になります。

「資格やスキルが無いならそれでもいいと思います。ですが、経験したことが何もないということは無いと思うんですよね。正社員じゃなくても働いた経験が1つでもあれば、『こんな経験をしました』とアピールしていいし、母親・主婦業も立派なスキルです」

母親・主婦業を社会的な経験・スキルにする伝え方

とはいえ、母親・主婦業を履歴書や面接でアピールするためにはどうすればよいのでしょう。

「残念ながら、男性管理職の中には、『どうせ主婦だからな』と見る方もいます。彼らに『PTAで〇〇をがんばりました』と伝えても響かないでしょう。ですから、彼らに通じるよう、企業内の業務に変換しやすいように伝えましょう。

例えば、学校や園の行事運営やPTAは企業には属してないだけで組織活動ですよね。活動の際に、自分がどんな役割を務め、どう役立ったか。トラブルにはどう対処したのかということを一度紙に紙に書き出してみてください。キャリア(経験)の棚卸をしましょう」

キャリアの棚卸とは

現在、自分がもっているスキルや、得意なこと、強みなどを言語化することで自分のセールスポイントを客観的に把握したり、自己PRに役立てたりすること。「専業主婦だった場合、キャリアではなく、経験を言語する『経験の棚卸』をしてみましょう」(市川さん)

「自分の”得意”を自己点検するために行うもので、10代の頃まで戻ってもいいんです。どこに所属して、どんな活動をしたか、資格、特徴ある経験、印象に残る出来事を全部書き出してみてください」

いざ、書き出そうとしてみると、「わざわざ書き出すことなのかな?」「大したことじゃない」と思ってしまいそうですが…。

自分の強みが何なのか、自分では分からないかもしれませんね。それなら、とりあえず思いつくまま書き出してみて、信頼できる人に『再就職しようと思ってアピールポイントに悩んでるんだけど…』と相談してみたらどうでしょうか。

自分が何とも思っていなかったことでも、他人から見たら『強み』ということもあります。『ここが人に伝えてもいい私の特技なんだ』ということが発見できますよ」

主婦の再就職に向けてキャリアの棚卸をするイメージ画像

【ステップ2】希望を現実にする道筋を立てる

【ステップ1】で自分の働ける範囲や自分の強みを整理できたら、【ステップ0】の理想の自分と比較してみましょう。

「【ステップ1】の自分が、5年後(10年後)に【ステップ0】の自分になるためには、どのような働き方をすればいいのかを考えて働き方をイメージしましょう」

正社員や雇用形態にこだわりすぎない

ただし、10年後の理想の自分が”正社員としてイキイキ働いている”だからといって、最初から正社員の求人に絞るということではありません。

「今は、時代の変化が大きく、多くの会社が『終身雇用は出来ません』と言い始めています。1つの会社に勤め続けられる時代ではありません

今、注目を集めているキャリア論(プロティアン・キャリア理論)でも、キャリアは、1つの組織の中で偉くなっていくことではなく、会社は能力を蓄積していく過程の単なる場でしかない。自分が幸せになることを目指して組み立てていくものがキャリアだとされています」

つまり、”再就職をしたらその職場に何年も勤め続けるもの”と考える必要はないということ。これから就職する場所は【ステップ0】の自分に近づくために必要な経験を積むための場でしかありません。

専業主婦、パートから社長になった薄井シンシアさん

そこで市川さんが紹介するのは、専業主婦からパートになり、実績を積んで外資系ホテルの日本法人社長にまで上り詰めた薄井シンシアさんです。

20年弱の専業主婦経験を経て、48歳のときに給食のおばちゃんとしてパートを始めた彼女は、その後、主婦時代のコミュニケーション能力や手際の良さ、アイデアなどを生かしながら転職を繰り返し、現在の地位をつかみました。

「薄井さんが語っていたことで印象的なのは、最初はスキルではなく忍耐だということ。雇用形態や業務内容にこだわらず、まずは目の前の仕事に真摯に謙虚に取り組み、少しずつ自分の役割、居場所を作っていけばキャリアへの道は開けていくと思います。

数年後には正社員になりたいと考えていても、まずは、社会に慣れるためにパートやバイトで就職して、その後、徐々に調整していけば良いと思います。

社会復帰の1歩目から100%の満足を得るのは難しいです。考えすぎて動けなくなるより、ハードルは低くして、どこかの企業にどんな形であれ繋がってみることに意味があります

【ステップ3】求人サイト・制度で仕事を探す

【ステップ0~2】で自分の人生の方向性や自分に合った(実現可能な)働き方のイメージができたら、実際に求人情報で仕事を探してみましょう。

「ブランクがあって不安なのであれば、主婦に特化した求人サービスを利用して探してみてください。子育て中ということに理解があり、主婦向けの求人情報も多く、再就職への最初の一歩におすすめです」

主婦の仕事探しに役立つ施設・サイト

マザースハローワーク(マザーズコーナー)

マザースハローワーク(マザーズコーナー)は子育てをしながら就職をしたい人に向けた就職支援施設。全国20カ所以上にあり、子育て中や仕事と家庭の両立を目指す人にとって魅力的な求人情報が集まっています。近隣に「マザーズハローワーク」が無い場合、ハローワーク内の「マザーズコーナー」でも同様な情報が集まっています。

女性しごと応援テラス・東京しごとセンター

東京しごとセンターは、都内での雇用・就業を支援するために、東京都が設置しています。その中の「女性しごと応援テラス」は、結婚、出産、育児、介護などの理由で離職された方で再就職を目指す方、育児や介護等で家庭と両立しながら就職・転職を希望されている方を対象とした就職支援サービスを行っています。

主婦JOB

「主婦JOB」は主婦(夫)向けの求人サイト。残業なし、学校行事に合わせた休みが取れるなど、子育て中でも働きやすい全国の求人情報が多数掲載されています。

リクルートスタッフィング(派遣)

派遣登録会社の中には、育児との両立を支援している会社もあります。例えば、リクルートスタッフィングは、3つの約束として、育児中でも働きやすい仕事の紹介、環境調整、サポートを行っています。

アデコ(派遣)

アデコでは、ライフスタイルに合わせた就活サポートや在宅勤務の案件も充実。主婦向けの求人情報を多数紹介しています。

東京しごとセンター ミドルコーナー

東京都内での就職を希望する30〜54歳の就職・転職支援サービス「東京しごとセンター ミドルコーナー」は、キャリアカウンセリングや就活に役立つセミナーを随時開催しています。就職経験がない人も歓迎で完全無料。ミドル向けの求人情報も紹介してくれます。

ほかにも、【ステップ1】で書き出した人脈も使ったほうがいいとのこと。

「もしかしたら『仕事を探している』とアピールすると、知り合いの中に『人を探してるんだよ』という人もいるかもしれません。人づてで仕事を探していくこともいいと思いますし、使えるものは全部使ってください」

【ステップ4】足りない部分は制度を利用

求人情報を見たり、履歴書を書いたりしていくうちに自分に足りないスキルなどを感じることもあると思います。自身のスキルをチェックし、パワーアップをしていきましょう。

特に、この10年でビジネスツールはものすごいスピードで変化しました。職種を問わずオフィスで働くのであれば、パソコン操作はできて当たり前という時代です。WordやExcellなどのスキルは最低限必要だと思っておきましょう。

採用に役立つ国の情報、制度を利用しよう

内閣府の男女共同参画局の女性の就労支援ページ『女性応援ポータルサイト』には、先ほど紹介した『マザーズハローワーク』をはじめ、就職に必要な技能や知識を身に付けるためのトレーニング(公的職業訓練)を受けられる『ハロートレーニング』、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講する『求職者支援制度』などが紹介されています。

また、東京都の「女性しごと応援テラス・東京しごとセンター」は、再就職を希望する女性を完全無料でサポートする制度。働くためのスキルが身につく選べる2つのコースで、再就職の一歩を踏み出せます。

【ステップ5】面接を受ける

書類審査に通ったら面接です。【ステップ1】でまとめた、自分の強みを存分にPRしましょう。

「仕事にブランクのある専業主婦の方は、自己肯定感が低いように感じます。ですが、面接をしている時点で、企業があなたに興味をもっているということ。堂々と思いを伝えてくださいね」

【ステップ6】採用が決まる

採用が決まったら、働くことに向けての最終調整です。改めて、家族との協力体制を見直し、日々のスケジュールを調整しましょう。

【ステップ7】ビジネスパーソンリテラシーを点検

仕事開始日に向けて、社会人としてのリテラシーを見直しておきましょう。特に、市川さんが点検&学習しておいたほうがいいと思うスキルが語彙力なのだそう。

「プライベートでの女性同士、子どもとのコミュニケーションは、ふわっとした雰囲気の会話でも成り立ちますが仕事では通じません。自分が思っていることを正確に言語化して伝える力、相手が受け入れやすい伝え方などのコミュニケーションスキルが社会で必要になります。そのためには、語彙力が必要です。社会復帰する際にもう一度見直し、鍛えておきましょう」

ちなみに職場での語彙力を増やす際に市川さんがおすすめする1冊が齋藤孝さんの『語彙力ノート』です。

「職場で何と言ったらいいか分からないときに開くと、正しい日本語での言い方・伝え方が書かれています」

専業主婦の再就職と新卒での就職の違いとは

再就職のために動き始める人の多くは、かつて就職活動をしていたときと同じような感覚、意識でがんばろうとするのではないでしょうか。ですが、置かれている環境や抱えているものを考えると、新卒のときのように自分の意思や思いだけで動けるわけはありません。

「新卒のときは、背負うものが少ないですよね。ですが、再就職の場合は、家族もいるし、いずれ親の介護も出てきます。働くからといって自分にとって大事な家族を切り離して生きていくことはできませんよね。

【ステップ0】で『5、10年後の幸せな姿』をイメージしたとき、おそらく多くの人が”家族との良好な関係”がベースにあったと思います。だから、”仕事する=家族の幸せを犠牲にするもの”という考えはもたなくていいと思います」

ですが、「子どもの事情」「家庭の都合」を大義名分にしていいというわけではありません。職場にはなるべく迷惑をかけずに状況を理解してもらいたいものです。

「上司や同僚に対して、あらかじめ自分の事情を伝えておくことが大切です。私が子育て中のお母さんたちと仕事をしているときは、『月に1回、この日は何かに行かなくちゃいけません』『この日はどうしても残業が出来ません』と書面で渡してもらえるとありがたかったですね。

部下にとって上司は1人ですが、上司からすると部下は何人もいます。それぞれの事情を知った上で部内を回していくので、無理なことは先に知っておきたいんですよね」

さらに、できないことを伝えるだけではなく、仕事への思いも一緒に伝えられたらなおよさそうです。

「例えば『出張には行けません』という場合でも、『〇日前に分かれば、夫や親に子どもを見てもらえる可能性もあるので、チャンスがあったら声を掛けてもらえるとありがたいです』と付け加える。『取り組みたい気持ちがある』『チャンスの芽は摘まないで欲しい』と伝えられたらいいですね

更年期のことも考えておこう

子どもが成長していくにつれ、自由になる時間は増えていき働きやすくなるかと思いきや、忘れてはいけないのが年齢による心身の変化です。

 「45~55歳のいわゆる更年期の時期は、心身のバランスが崩れやすくなります。気合で乗り切れるものではないので、そうなる時期があることは分かっておきましょう。同時に、もし『バランスが崩れているかも』と感じたら、婦人科に行ってください。『不調は耐えるのではなく治療を受ける』という心構えをしておきましょう。

また、家庭の状況によっては、親世代の介護をするために思うように働けないかもしれません。

家事、子育て、介護、更年期など、女性は背負うものが多くて大変です。ですが、『女性は60歳ぐらいになると、すべて霧が晴れたように自分の人生を謳歌出来る』という先輩方の声もあります。人生100年時代、社会に出て働くことが、60歳以降の人生を最高に素晴らしい時期にしていくきっかけのひとつになることを願っています」

<市川さんの著書はこちら>

浜田彩

浜田彩

エディター、ライター、環境アレルギーアドバイザー。新聞社勤務を経て、女性のライフスタイルや医療、金融、教育、福祉関連の書籍・雑誌・Webサイト記事の編集・執筆を手掛ける。プライベートでは2児の母。

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