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2022.05.01

子どもに教えられますか? 2024年発行「新紙幣」の人物・図柄をわかりやすく解説

2024年に新しい紙幣が発行されることをご存じですか? 子どもに「この人物は何をした人?」「この図柄は何?」と聞かれた時にしっかりと答えることができるよう、今回は新紙幣の人物や図柄について解説します。なぜ紙幣が変わるのかという点も含め、確認しておきましょう。

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2024年に新紙幣を発行するわけ

現在出回っている紙幣は2004年に発行されましたが、20年ぶりにデザインが一新されます。時期は2024年上期が予定されています。

今回新紙幣が発行される理由の1つは紙幣の偽造防止対策を強化することです。もともと日本の紙幣は世界の中でもトップクラスで偽造しにくいのですが、今回発行される新紙幣は、下記により偽造防止対策がより一層強化されます。

高度なすき入れ(すかし)技術

お札を明るいところにかざすと見えてくる「すかし」も、現行の紙幣のものに加え、普通の印刷では再現できない高精細な模様が入ることになっています。

3Dホログラム

紙幣を傾けるとホログラム内の肖像の向きが傾きに合わせて動くように見える3Dホログラムを新たに導入します。この技術が紙幣に使われるのは世界初です。

このようにデザインは大きく変わりますが、新紙幣はどの券種もサイズは現行のものと変わりありません。

ユニバーサルデザインな新紙幣

新紙幣に施される特徴の1つに、誰でも使いやすい「ユニバーサルデザイン」を採用している点が挙げられます。

今までは金種ごとの紙幣サイズを変えることで違いを認識できるようにしていましたが、新紙幣はそれに加えて、印刷技術やデザインの力でわかりやすさが追求されました。

目の不自由な方や日本語のわからない方など、多くの人に使いやすいように、触った指先の感触だけでお札の種類が認識できるマークを入れたり、額面の数字を大きくしたりという工夫が施されています。

2021年に発行された五百円硬貨の特徴

日本銀行「新しい500円貨の外観」より

新紙幣の発行に先立ち、2021年に新500円硬貨が発行されました。こちらも偽造防止対策を強化したデザインに変更されています。

具体的には、複数の素材を重ねて使用すること(バイカラー・グラッドの二色三層構造)で硬貨の内周と外周の色を変えていたり、硬貨のふちに入っている溝の一部が他の溝とは異なる角度(異形斜めギザ)になっていたりという特徴があります。

現行の紙幣はどうなる?

新紙幣が発行されることで、現行の紙幣が使われなくなるということはありません。新500円硬貨も同様で、古いデザインのものも今まで通り使えます。

新紙幣の発行に伴って「現在の紙幣が使えなくなるので回収します」などと語るような詐欺や、新紙幣発行に便乗した振り込め詐欺が起こる可能性があるので注意しましょう。

新紙幣の表の肖像は誰?何をした人?

紙幣には金種ごとに人物画が描かれていますが、これは紙幣の認知度を高めるという理由以外に偽造防止のためという理由もあります。

人間の目は人の顔のちょっとした違いに気付きやすいため、精巧な人物画を紙幣に使うことで偽造防止に役立つのです。

今回の新紙幣に描かれる3人は、学校教育の中で出てくる国民に良く知られた人物の中から選ばれました。そしてこの3人は現代の日本にも通じる問題に取り組んだ人物という共通点があります。

新一万円札:渋沢栄一

財務省「新しい日本銀行券のイメージ」より

現一万円札は慶応義塾大学の創設者としても有名な福沢諭吉ですが、新紙幣は渋沢栄一です。最近は大河ドラマで取り上げられたことで有名になりましたね。

渋沢栄一は日本初の銀行(現・みずほ銀行)、東京ガス、キリンビールといった会社の創立に寄与しており、「日本の資本主義の父」とも言われる人物です。渋沢栄一の活躍した明治時代同様、現代でもこれからの日本を支える新しい企業が求められています。

新五千円札:津田梅子

財務省「新しい日本銀行券のイメージ」より

現五千円札は小説『たけくらべ』などを著した作家の樋口一葉ですが、新紙幣は津田梅子です。

津田梅子は幼少期に日本初の女子留学生として岩倉使節団と共に渡米し、帰国後に女子英学塾(現・津田塾大学)をつくりました。日本の女子教育、英語教育の発展に務めた人物です。英語教育の充実や女性の社会進出といった今の日本の問題に、津田はいち早く取り組んでいたと言えます。

新千円札:北里柴三郎

財務省「新しい日本銀行券のイメージ」より

現千円札は「黄熱病」の研究で有名な細菌学者の野口英世ですが、新紙幣は北里柴三郎です。

北里柴三郎は「近代日本医学の父」とも言われる人物で、ジフテリアや破傷風の治療法を見つけたり、ペスト菌を発見しました。また大日本医師会(現・日本医師会)や北里研究所、慶応義塾大学の医学部の創設にも携わっています。

そして「医者の使命は病気を未然に防ぐこと」という信念のもとに「予防医学」を考え続けた人でもあります。今では一般的な考え方である「予防医学」ですが、北里柴三郎は明治時代からその重要性に気付いていたのです。

新紙幣の裏の図柄は何?なぜ採用されたの?

紙幣には人物画だけでなく美しい図柄が共に描かれます。この図柄は歴史や伝統のある建築物、美しい自然といった日本を代表するものが選ばれています。

また紙幣の色味が金種ごとに異なることにも理由があります。アンケート調査で多くの人がお札の色の違いで金種を見分けているとわかったため、新紙幣でも現行の紙幣の色味を踏襲し、裏面にはその色味に合うものが描かれるようになっています。

新一万円札:東京駅(丸の内駅舎)

財務省「新しい日本銀行券のイメージ」より

新一万円札の色味は茶色で、人物画は渋沢栄一です。これに合う図案として東京駅の丸の内駅舎が採用されました。

赤レンガ造りの東京駅駅舎は建築家・辰野金吾が設計し、1914年に竣工されました。戦災で一部が焼失していましたが、復原工事の末に2012年に現在の駅舎が完成しました。

渋沢栄一はJRの前身でもある日本鉄道会社の設立にも携わっているので、渋沢栄一と東京駅はそれぞれにゆかりのあるデザインと言えるでしょう。

新五千円札:フジ(藤)

財務省「新しい日本銀行券のイメージ」より

新五千円札の色味は紫色で、人物画は津田梅子です。これに合う図柄として藤の花が採用されました。

藤は春先に紫色の花を咲かせることが知られていますが、中高生や若い世代には『鬼滅の刃』に出てくる花として認識されているかもしれませんね。

藤の花は万葉集にも登場する日本古来からある花ですが、江戸時代にドイツ人の博物学者であるシーボルトによって海外へ持ち出されたとも言われています。日本から海外へ飛び出し、新しい時代を切り開いた津田梅子と通じる部分があるようにも感じられますね。

新千円札:「富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』」(葛飾北斎)

財務省「新しい日本銀行券のイメージ」より

新千円札は青みがかった色で、人物画は北里柴三郎です。新千円札に描かれるのは葛飾北斎が描いた「富岳三十六景」の『神奈川沖浪裏』です。富士山と大きな波の図柄が有名な作品で、誰もが一度は見たことのある絵ではないでしょうか。

葛飾北斎の作品はゴッホやモネといった西洋の画家たちに大きな影響を与えたと言われています。北里柴三郎の功績も北斎の作品同様に世界の科学者たちに大きな影響を与えているので、その部分が共通しているとも言えますね。

2024年に発行される新紙幣は偽造防止効果を一層強めることと、ユニバーサルデザインの推進という観点から20年ぶりに刷新されます。最新技術が詰め込まれ、紙幣に描かれる人物も図柄も大きく変わるので、令和という新しい時代の到来を象徴する紙幣になりそうです。

時代は変わり続けますが、渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎、3人の功績や理念は新しい時代になっても色褪せることなく私たちに大切なことを教えてくれています。新しさと古さをつなぐ新紙幣、手に取る日が待ち遠しいですね。

<参考資料>
財務省「新しい日本銀行券及び五百円貨幣を発行します」
auじぶん銀行「新紙幣はいつから発行される?なぜ変わるの?」
日本銀行「銀行券/国庫・国債」
NTT docomo dアプリ&レビュー「【新紙幣発表】2024年に新たな顔となる3人、実はこんな偉人だった!」

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