子どもの権利を子どもが知るために。SDGs教材シリーズ「世界の子ども権利かるた」が誕生

日本では1994年に、国連の「子どもの権利条約」が批准されていますが、守られるべき子どもの権利がいまだに十分浸透していないため、不当な立場に置かれたまま声を上げることができない子どもたちがたくさんいます。
合同出版が販売を開始した「世界の子ども権利かるた」は、遊びながら世界の子どもたちの状況に目を向け、子どもの権利を学べる教材です。子どもが自ら行動して、よりよい社会をつくる一員となれるよう、このかるたで学んでみませんか?
知ってる?「子どもの権利条約」
国連では、1989 年に「子どもの権利条約」が採択されました。その5年後に日本もこの条約を批准し、子どもの「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」が明確にされました。今から30年以上前のことです。
しかし、世界はもちろんのこと、日本においても、この条約の理念が十分浸透しているとは言えない状況が続いています。
子どもの頃に権利をふみにじられた人たちが、今、大人になり、「子どものときに知っていたら、もっとできることがあったのに」と悔やむ声をあげています。
そんな状況を改善するために、子どもたちに自分の権利について知ってほしいと願って作られたのが「世界の子ども権利かるた」です。楽しくかるたあそびをしながら子どもの権利を学べる教材として考案されました。

監修は、「子どもの権利」と「国際協力」を専門とし、長年子どもの権利を守る活動に取り組む、文京学院大学教授・甲斐田万智子さん。大学生や、子どものためのNPO団体、フリースペースに通う子どもたちなどの協力を得てつくられたそうです。
このかるたには、日本に暮らす子どもたちに対しての、次のようなメッセージが込められています。(以下、合同出版の「世界の子ども権利かるた」ページより引用)
- 特につらい思いをしている子どもたちに向けて、「休んでもいい」「逃げてもいい」「相談してほしい」「声を上げてほしい」
- 女の子であること、性的マイノリティであることや見た目の違いがあるために、差別を受けていたり、無意識に差別的な行動をしたりする子どもに気づいてもらいたい、性的被害や暴力にあっている子どもに「No」と言ってほしい
- いろいろなアイデアを持ち、社会をよりよいものにしようとする子どもに、意見を言って問題解決に参加してほしい
- ふだんなかなか知ることのできない世界の子どもたちの状況も、子どもの権利をきっかけに知ってほしい
対象年齢は6歳から。幼いうちは権利条約についての深い理解はできないかもしれませんが、遊びを通して親しむうちに、次第に自分たちの問題としてとらえられるようになるのではないでしょうか。
子どもたち自身が子どもの権利について知り、それが暮らしのなかできちんと守られているのかを考えられるようになれば、社会は、世界は、よりよく変われるはず。
ご家庭で、学校で、このかるた遊びをすることが、そのきっかけになれば素敵ですね。

教材情報
- 『合同出版のSDGs教材シリーズ「世界の子ども権利かるた」みんなで知ろう! わたしたちのチャイルドライツ』
- セット内容:読み札・絵札 各45枚、説明書
- 発売日:2022年3月11日(金)
- 定価:3,740円(税込)
- 監修者:甲斐田万智子(文京学院大学 外国語学部教授)
<参考資料>
・合同出版株式会社 かるたで学べる 大人も子どもも知っておきたい「国連子どもの権利条約」(PR TIMES)

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。