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2022.09.03

アンガーマネジメント診断で怒りのタイプを知り、人間関係を変えよう

人にはそれぞれ大切にしている価値観やこだわりが強い部分があり、そこを否定すると怒りに繋がりやすくなります。今回の記事では12の質問から怒りのタイプを診断するチェックリストをご紹介。怒りの原因がわかると、無駄にイライラせずに済みますよ。

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アンガーマネジメントとは

診断に入る前にアンガーマネジメントについて改めて解説しましょう。

怒りたくはなかったのに、つい怒ってしまって後悔…。そんな経験、誰もがあるのではないでしょうか。しかし、怒りを感じることは人間にとって当然の生理現象です。怒りという感情がなければ、人間は自分を守ることができないかもしれません。

ですが、強く怒りすぎてしまったり、感情のままに行動することは、状況によってはマイナスになってしまいます。例えば、職場で部下に対してならパワハラ、家庭ならマルトリートメント(不適切な養育)につながりかねません。

怒りが人生を台無しにしてしまう可能性もあるのです。

そこで、1970年代にアメリカで始まったとされるイライラと上手に付き合うトレーニングが「アンガーマネジメント」です。

アンガーマネジメントは怒らないようにするトレーニングではなく、怒りをうまくコントロールして身近な人、大切な人とより良い人間関係を築き、メリットのある怒り方を身に付けていくものです。

そのひとつとして、今回は怒りのタイプを知る「アンガーマネジメント診断」を紹介します。

<こちらの記事もチェック>
怒りのピークは6秒!やり過ごすための5つのテクニックとは
怒りの正体は悲しさ? 隠れている本当の気持ちに気づいて
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アンガーマネジメントで怒りをコントロールするイメージ

怒りのタイプを知るための12個の質問

人によって価値観は違いますし、大事にしていることや考え方、度合いが異なります。同じように怒りにも理由や原因があるはず。

ですが、それが見えてくると怒りの取り扱い方が楽になります。

そこで、簡易版ですが無料の“アンガーマネジメント診断”を用意しました。早速、自分の怒りのタイプをセルフチェックをしてみましょう。

【12の質問】次の12の質問について1~6点までの点数をつけてみます。

Q1. 世の中には守るべきルールがあり、人はそれに従うべきだ。
Q 2. ものごとは納得いくまで突き詰めたいと思う。
Q 3. 自分に自信があるほうだ。
Q 4. 人の気持ちを間違って理解していたということがよくある。
Q 5. 簡単には解決できないコンプレックスがある。
Q 6. リーダー的な役割が自分の性に合っていると思う。
Q 7. たとえ小さな不正でも見逃すべきではないと思う。
Q 8. 好き嫌いがハッキリしている。
Q 9. 自分はもっと評価されてもいいと思う。
Q 10. 自分で決めたルールを大事にしている。
Q 11. 人の言うことをそのまま素直に聞くのが苦手だ。
Q 12. 言いたいことはハッキリ主張するべきだ。

【点数のつけかた】
全くそう思わない:1点
そう思わない:2点
どちらかというとそう思わない:3点
どちらかというとそう思う:4点
そう思う:5点
すごくそう思う:6点

出典元)日本アンガーマネジメント協会

【診断結果】タイプ別の特徴と改善方法

次に以下の設問の組み合わせで点数を合計してみましょう。最も点数が高かった質問に該当するところが、あなたの怒りのタイプになります。

イメージしやすいように動物で例えています。

怒りのタイプ点数を合計する設問の組み合わせ
①熱血柴犬タイプQ1. 世の中には守るべきルールがあり、人はそれに従うべきだ。
Q 7. たとえ小さな不正でも見逃すべきではないと思う。
②白黒パンダタイプQ 2. ものごとは納得いくまで突き詰めたいと思う。
Q 8. 好き嫌いがハッキリしている。
③俺様ライオンタイプQ 3. 自分に自信があるほうだ。
Q 9. 自分はもっと評価されてもいいと思う。
④頑固ヒツジタイプQ 4. 人の気持ちを間違って理解していたということがよくある。
Q 10. 自分で決めたルールを大事にしている。
⑤慎重ウサギタイプQ 5. 簡単には解決できないコンプレックスがある。
Q 11. 人の言うことをそのまま素直に聞くのが苦手だ。
⑥自由ネコタイプQ 6. リーダー的な役割が自分の性に合っていると思う。
Q 12. 言いたいことはハッキリ主張するべきだ。

それぞれのタイプの特徴と怒りを和らげるアドバイスは次の通りです。また、家族や上司・部下、友人が上記のいずれかのタイプだったときにムダに怒らせないコミュニケーションのアドバイスも紹介します。

【タイプ①】熱血柴犬タイプ

正義感や道徳心が高いタイプ。あいさつをしない、お礼を言わないなどのマナー違反が気になります。使命感に燃え、信じることに脇目もふらず突き進む傾向があります。一方で理由がないと動けないことも。怒りを和らげるコツは正しさだけにこだわらないことです。

<熱血柴犬タイプへの怒り対策>
「熱血柴犬タイプ」の人には、何のためにするのか目的や理由を話してあげるといいですよ。

【タイプ②】白黒パンダタイプ

利己心や向上心が高いタイプ。どっちつかずの優柔不断が気になり、白黒つけたがり、好き嫌い、敵味方など極端にこだわりがち。合理的に物事を考え、完璧主義になりやすい傾向も。ムダにイライラしないコツはおおらかになる、価値観の違いを受け入れることです。

<白黒パンダタイプへの怒り対策>
「白黒パンダタイプ」には、ハッキリと明確に結論から伝えるといいですよ。

【タイプ③】俺様ライオンタイプ

自尊心が高いタイプ。前向きに進んでいく頼れるリーダー。自信がある一方で人からの評価を気にしやすく、大切にされないと傷つきやすい面があります。怒りを感じる場面を減らすためには、謙虚になる、意見と批判を区別していくことを意識するとよいですよ。

<俺様ライオンタイプへの怒り対策>
考え方が違うときにはプライドを傷つけず、否定しているわけではないことをひと言添えるといいですよ。

【タイプ④】頑固ヒツジタイプ

執着心が高いタイプ。一見穏やかそうに見えるのですが、決めたことは譲らないガンコな面があります。やりたくないことが溜まるとストレスになります。怒りを減らすためには、自分だけのルールにこだわりすぎず、楽しいことを考えるとよいですよ。

<頑固ヒツジタイプへの怒り対策>
頑固ヒツジタイプのやり方を尊重し、頭で考え過ぎないように関わるといいですよ。

【タイプ⑤】慎重ウサギタイプ

警戒心が高いタイプ。心配性で何事もじっくりと取り組む傾向があります。心を開きにくく、人を信用できずに一人で抱えてしまうことも。レッテルを貼らない、小さなことから頼んでみる、人と比べないことでイライラを減らせます

<慎重ウサギタイプへの怒り対策>
話し始めると時間がかかることも。急な予定変更に弱いところもあり、前もって余裕をもたせてあげると安心しますよ。

【タイプ⑥】自由ネコタイプ

自立心が高いタイプ。フットワークが軽い自由人です。思ったことをそのまま発言してしまうため、時には空気を読む、黙ることも大事。周りに目を向けるなどして、他者との関わり合い方に気をつけるとイライラせずに済みますよ

<自由ネコタイプへの怒り対策>
いつ何をするか自分で決めさせるとうまくいくことがあります。途中で口を挟むとやる気をなくすこともあり、見守ることも大切です。

アンガーマネジメント診断の結果を動物に例えたイメージ

怒りをやり過ごす6秒ルール

怒りのタイプに合わせて対応することは、周囲の人とより良い人間関係を築くことに繋がります。一方で、どのタイプにも共通して言えることもあります。例えば怒りがこみ上げてきたときには、とっさに言い返す・仕返すことを避けてぐっとこらえることが重要です。

諸説ありますが、感情のピークは6秒間といわれています。まずは6秒、相手に言い返したり仕返ししたりすることなく、怒りの衝動をやり過ごしましょう。

具体的には、「大丈夫」「何とかなる」といった落ち着く言葉を唱える、息を吐き切って深呼吸するなどして、まずは6秒間冷静になれるように工夫してみましょう。

6秒ルールの具体的な方法については以下の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてくださいね。

<こちらの記事もチェック>
怒りのピークは6秒!やり過ごすための5つのテクニックとは/アンガーマネジメント連載 第2回

怒りのタイプを知れば人間関係が変わる

この記事で紹介した6つのタイプは、良い悪いを表すためのものはなく“個性”です。

点数が高いということは、こだわりが強いということなので、怒りが態度や表情、発言に繋がりやすくなります。自分自身や相手の大切にしている価値観やこだわりの強さを知っていると、怒りを感じる原因やシチュエーションが想像しやすくなります。

もし、フツフツと怒りが沸いてきたとき、「あり得ない!」「何で?」と怒るのではなく、自分の怒りのタイプを思い出して「だから私は怒っているのか!」と納得することで、イライラに振り回されずに済みます。

子育てだけでなく、仕事における職場でのコミュニケーションを含むさまざまな人間関係において相互理解が図りやすくなり、多様な価値観を自然と認められるようになるはずです。

診断の結果は“今”の状態を示すものですので、環境の変化などで変わることもあります。3ヵ月ごとに見直してみるのもいいですよ。“アンガーマネジメント診断”を使って自分や家族のこだわりやタイプを知り、上手に怒りの取り扱いができるといいですね。

今日からできることを少しずつトレーニング。アンガーマネジメントにレッツトライ!

長縄史子

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京)アンガーマネジメントファシリテーター。子育てや教育・福祉・司法関係において、心に触れる実践的なアンガーマネジメントを伝え、一人一人が大切にされる教育社会を目指して怒りの連鎖を断ち切るために活動を続けている。著書に「マンガでわかる怒らない子育て」(永岡書店)「イラスト版子どものアンガーマネジメント~怒りをコントロールする43のスキル」(合同出版)などがある。 https://www.angermanagement.co.jp/

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