教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.05.15

【アンガーマネジメント⑦】器の大きな許せる大人になるためのトレーニング

アンガーマネジメントのトレーニングを続けていらっしゃいますか?前回の記事【アンガーマネジメント6】では、怒りの正体である“べき”について考えていきました。今日は、ムダに怒らずに済むコツである“許せるゾーンを意識する”という方法について紹介していきたいと思います。

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許せない出来事の連続に怒りはヒートアップ

前回の記事で紹介しましたが、怒りの正体は“べき”思考でした。自分にとって大切な価値観ともいえる“べき”が違うと“許せない”という思いになることが多く、この“許せない”という思いが怒りになります。はじめから価値観はそれぞれ違うと考えていればムダに怒らずに済むはずなのです。

 

しかし、価値観の違いを頭では理解していても、思わず「あり得ない!」「何で?」とつぶやいてしまうほど、見事なまでに自分の価値観が崩されることってありませんか? 自分の中で長年信じていた“当たり前の枠”が通用せず、想定外の出来事が起きることってありますよね。

 

そんな想定外の出来事を“許せるか許せないか”という基準で考えると、だいたいが“許せない”に入ります。そして、何度も同じことが続くと「いつも言っているよね」「何度言ったらわかるの!」と、“許せない”という思いがヒートアップしていき常にイライラしている状態になってしまうのです。

 

そもそもアンガーマネジメントは怒らなくなる方法ではありません。怒る必要のあることは怒っていいのです。ただし、機嫌や気分でブレが出る基準で怒りをジャッジするのではなく、怒る必要のあるものとないものを一貫性をもって線引きしていく必要があります。そうすることで、怒りを爆発させて後悔したり、怒りの感情に振り回されたりしないで済むようになりますよ。

 

 

 

許せるゾーンを意識する2つのトレーニング

では、怒る必要のあることと怒る必要のないことを線引きするためにどうすればよいのでしょう? まずは“許せる”か“許せない”かの二択ではなく“まぁ許せるゾーン”を意識してみることです。

 

“まぁ許せる”=許しているのですから、本来は怒る必要がないはずなのですが、実際には怒る必要のないものまで怒ってしまっていることのほうが多いものです。

 

さらに、許せる範囲=器の大きさにも比例してしまいます。怒りっぽい人=器が小さい人と周囲に思わせるより、許せる範囲の広い器を大きい人と思われたいと思いませんか。

 

許せるゾーンを意識するために次の2つのトレーニングをしていきましょう。

①相手の立場に立って考えてみる

②“せめてどうしてくれたらOKか”を考えて伝えてみる。

答えはひとつではありません。何パターンか考えてみましょう。

 

例えば、忙しい朝に子どもがなかなかご飯を食べてくれないとイライラしますよね。「早く食べてくれたら…」と思い「早く食べなさい!」「全部食べなさい!」と言いたくなりますが、その前に次のように考えるのです。

 

①相手の立場に立って考えるの場合…

・昨晩食べ過ぎてお腹が空いていないのかも

・体調が悪くて食事が進まないのかも 

 

②“せめてどうしてくれたらOKか”を考えて伝える場合…

・「せめて、ご飯半分、このおかずだけ食べてくれたらOK」と伝える

・「せめて、野菜だけでも食べてくれたらOK」と伝える

 

ほかにも、次のような例もあります。

 

イライラ例➀「すぐに宿題をせずにダラダラする」

テキパキと取りかかってくれたら理想なのですが、「今すぐ宿題しなさい!」「ダラダラしない!」と言う前に…

 

①相手の立場に立って考えるの場合…

・宿題の内容が難しくて取りかかりにくいのかも

・学校で緊張している分、今は家でリラックスしたい時間なのかも

 

 

②“せめてどうしてくれたらOKか”を考えて伝える場合…

・「せめて、夕飯前に宿題を終わらせてくれたらOK」と伝える

・「せめて、○○時までに宿題を済ませてくれたらOK」と伝える

 

 

イライラ例②「洋服を脱ぎっぱなし」

自分で片付けてくれたらいいのですが…、「また脱ぎっぱなし!」「片付けなさい!」と言う前に…

 

①相手の立場に立って考えるの場合…

・誰かが片付けてくれると思っているのかも

・脱いだままにしたことを忘れているのかも

 

②“せめてどうしてくれたらOKか”を考えて伝える場合…

「せめて、居間では脱ぎっぱなしにしない」と伝える

「せめて、その日のうちに自分で片づけて欲しい」と伝える

 

この2つの考え方ができるようになると、つい怒ってしまう出来事もムダに怒らずに済みます。(【アンガーマネジメント②】の記事で紹介した6秒の怒り回避術も役立ててくださいね)。

 

 

 

とっさのつぶやきを受け止める言葉に変える

最後にオマケのテクニックをもうひとつ。私が普段から意識してやっていることをご紹介しますね。

 

「あり得ない!」「何で?」と思った瞬間「エェ~?!」ではなく「ホォ~」とつぶやくのです。「エェ~?!」と言った一瞬、相手を拒絶していることになります。「ホォ~」と思うことで、一旦、相手を受け止めてから次どうしようかを考えることができます。

 

「ホォ~」とつぶやいてから、先ほど紹介した2つの考え方を実践してみるとスムーズに“許せるゾーン”が広がりやすくなりますよ。

 

今日からできることを少しずつトレーニング。アンガーマネジメントにレッツトライ!

 

長縄史子

長縄 史子

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京)アンガーマネジメントシニアファシリテーター。子育てや教育・福祉・司法関係において、心に触れる実践的なアンガーマネジメントを伝え、一人一人が大切にされる教育社会を目指して怒りの連鎖を断ち切るために活動を続けている。著書に「マンガでわかる怒らない子育て」(永岡書店)「イラスト版子どものアンガーマネジメント~怒りをコントロールする43のスキル」(合同出版)などがある。 https://www.angermanagement.co.jp/

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