教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.02.08

新学習指導要領って何? 基本の知識と家庭でできること

小学校では2020年度、中学校は2021年度から全国で実施される新しい「学習指導要領」。これにより子どもたちの学びが大きく変わろうとしています。プログラミング教育や英語教育など、具体的なワードがメディアでも取り上げられる中、まずは「新学習指導要領」の概要や保護者として知っておいていただきたいことを説明します。

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10年に一度見直される教育のガイドライン「学習指導要領」

「学習指導要領」とは、全国のどの地域で教育を受けても一定の水準の教育を受けられるようにするため文部科学省が学校教育法等に基づき定めている基準のこと。 これをもとに、各学校では教育課程(カリキュラム)を編成しています。

 

そのため、「学習指導要領」は教育のあらゆる方面に影響を及ぼすガイドラインであり、これまでほぼ10年に一度のサイクルで見直されてきました。

 

「学習指導要領」が変われば、教科書もそれにそった新しい内容に変わり、学習内容も「学習指導要領」によって決まるので入学試験で問われる内容も変わります。2020年度のことなので まだなかなか身近には感じにくいものかもしれませんが、教育の変わる方向性や内容に関心をもつことは子どもに関わる大人として大切なことです。

 

今を生きる子どもたちの「今しかない」子ども時代に何が大切なのかという観点で知っておきましょう。

 

 

「新学習指導要領」のキーワードは“社会に開かれた教育課程”

文部科学省のホームページを見てみると、実際の新学習指導要領案の前文では、次のように表現されています。

 

これからの時代に求められる教育を実現していくためには、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていくという,社会に開かれた教育課程の実現が重要となる。

ー新学習指導要領案/p2前文よりー

 

求められる資質・能力とは何かを社会と共有し、連携する「社会に開かれた教育課程」を重視することが一貫して書かれています。答えのない問題があふれる現代社会では、学びを活かして自分なりの答えを考えていく力が重要視されています。

 

具体的に充足する内容は、言語能力、理数教育、伝統や文化に関する教育、道徳教育、体験活動、外国語教育、初等中等の一貫した学び、消費者教育、防災・安全教育、情報活用能力、部活動、発達の支援、職業教育など。

 

ほかにも、選挙権が18歳以上にされたことで主権者教育が強化されたり、「高大接続改革」として高等学校も含む初等中等教育から大学教育、そしてその間の大学入試も大きく変化していく予定です。

 

 

 

改定にあたり学校や教員たちが求められること

また、知識のインプットと、それらを応用する力のバランスを重視してきた現行を維持した上で、知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成していくことも新指導学習要領では掲げられています。

 

AI(人工知能)やロボットの活躍が広がるこれからは、暗記した知識だけが力を発揮する時代ではなくなっていきます。柔軟な思考によって”無いもの”を提案できる力を育てなければならないという考えが「新学習指導要領」の根本にはあるようです。

 

これらの方針をもとに、各学校、そして各教員が、目の前の子どもたちの「生きる力」を育むため、目的や学習の意義を共有しながら、授業の創意工夫や教材の改善をしていかなければなりません。

 

学校には、“教科横断的な視点・子供や地域の現状にあわせて改善し続けること・外部の資源を効果的に活用すること”という3つの側面からカリキュラムを考え、実施する「カリキュラム・マネジメント」求められていきます。

 

ただし、これらを本当に実現するには、教員や学校の創意工夫がより一層必要になっていきます。子どもたち一人ひとりの個性にどう対応していかということも非常に重要でしょう。改定に対する現場での混乱なども予想されるため、学校現場だけでなく家庭とも連携して子どもたちの「生きる力」を総合的に育んでいく必要がありそうです。

 

 

「生きる力」を伸ばすために家庭でできる教育とは

2020年度以降、子どもたちは知識をただ頭にインプットするだけでなく、実際の生活や答えのない問題に対して根拠をもって発言でき、学びを日常で生かす力を育んでいきます。

 

保護者側も子どもたちが学んでいることに関心をもったり、家庭の中での対話や経験を通して学びを活かせる場を作ったりしてみてはいかがでしょうか。

 

まずは、子どもが興味をもったことを否定せず、あたたかく応援して学ぶ姿勢を伸ばしていただきたいです。保護者の目からは余計なことに見えても、子どもたちは「アクティブ・ラーニング」という主体的な学びの中で、やりたいことを自分で選び、本などで考えを深め、周りとの対話の中で自分の考えを表現しています。工夫や失敗をしながらできるようになる、という過程学んでいるのです。

 

保護者自身も社会を生きる先輩として主体的に学んでいっていただきたいです。チャレンジするかっこいい親の背中を見せていくことが家庭でできる教育となるはずです。

 

進藤夏葉

進藤 夏葉

高校時代に教師を志し、学生時代から学習塾の講師として教育に携わる。大学卒業後は某学習塾に入社し、講師・教室長を勤め、子どもたちや保護者の方と関わる。「子どもも大人してもハッピーでわくわくした社会をつくりたい」という想いで、現在はフリーランスと、ライター・教材制作・ワークショップ企画など、さまざまな面から教育を通して活動中。

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